COP26 主催国のイギリス

地球の温暖化を世界中で協力しあって防ぎましょう、という主旨で開催中のCOP26。日本のオンラインニュースのトップページには、もうCOP26についての記事はあまり見当たらないようですが、主催国だからか会議が始まる前から常にトップページの大部分を占めています。

ちなみにスコットランドのグラスゴーで行われている会議の正式名称は “The 2021 United Nations Climate Change Conference”。ならなぜ “UNCCC2021″にしないの?と誰もが思うかもしれませんが、それじゃ長過ぎるし発音もし辛い、そして今回の会議は26回目のConference of Parties (締約国会議)なので”COP26″になったようです。 (National World)

この会議に先駆けて、10月26日に一人一人がすぐに実行できる地球の温暖化対策が記載されている記事を見つけました。それによると対策は以下の4つ。

  1. Insulate your home (熱を逃さない家にすること)
  2. Cut out food waste and cut down on red meat (食べ物を余らせず、赤身の肉を食べる回数を減らすこと)
  3. Drive less, fly less (運転や飛行機の利用を控えること)
  4. Think before you buy(新しいものを購入する前によく考えること)

1に関しては以前のブログ(ガス代・電気代値上げと節約対策)でも触れましたが、イギリスの家は隙間風だらけだそうです。そこでとにかく隙間を埋めて効率化を図るようにとのこと。そしてガスボイラーではなく低炭素型ヒートポンプを設置するように言われています。設置してくれるなら政府は £5000(約78万円)の補助金を出すとのこと。でもこのヒートポンプは1メートルぐらいの巨大な箱なのです。家の外に設置しますが隣家とは1メートル離れていないといけないそうです。おまけにすでに設置した家庭からは、補助金だけでは足りなかったし、しょっちゅう壊れるし、すぐに温まらないし、維持費が高過ぎる、とのクレームが続出しているようです。

2に関しては、残り物を出さないようにするのは理解できました。でも赤身の肉、特に牛肉と羊肉は極力控えるように、と言われても。健康にはいいのかもしれませんが、それでどれだけ温暖化が防げるかは疑問です。牛のCO2排気量は家畜の中では最も多く、また多くの木を切って牧地にしないといけないからだとか。牧場を作るのに森林ひとつ壊すわけではないので極論ではないかと思ってしまいました。

3も理解でき、同意もできます。が、自家用車を持たずに公共の交通機関を利用しろと言う前に、1時間に1本しかない電車や遅延ばかりしているこの現状をどうにかして欲しいです。飛行機の利用に関しても飛行機雲を減らす対策をした方が効率的では、と思ってしまいました。(ブログ:青空に浮かぶ飛行機雲、実は悪者?

4に関してですが、国連環境計画によるとジーンズ一本作るのに3,781リットルの水が必要なのだそうです。綿花を育てるところから始まって、の話です。そこで洋服がほつれたり破れたりした場合は新しい服に買い替えるのではなく、補修して着続けなさいとも。また冷蔵庫を買い替えるときは省エネの機種を選びなさいとも書いてありました。確かに古い冷蔵庫は電気代がかかりますね。

このような記事を掲載して国民にひたすら注意喚起をしていた政府ですが、実際の会議に集まった出席者の一部がプライベートジェット機で乗り付けてきたとの批判記事が31日の日曜日から出始めていました。

その中には主催国のジョンソン首相も!彼は2日間「すぐにアクションを取らないと大変なことになる」と言い続けていましたが、行きも帰りもプライベートジェット機を利用。関係者曰く、今回のジェット機は(いつもの専用機のVoyagerではなく)新しい燃料を使っているので従来のものに比べて半分しかCO2を出していないとか。

ちなみにジョンソン首相もチャールズ皇太子もその直前までローマで開催していたG20会議の後に「それぞれ」が専用機でグラスゴーに移動したので、それがまた国民の反感を買っています。チャールズ皇太子の専用機も新しい燃料だったから乗ったとか。それにしても窮屈なタクシーじゃないのでせめて相乗りして欲しかったですね。

最近、大企業のホームページには今回のCOP26のロゴと共に自分達がどれだけ協力しているかが掲載されています。でもその大企業のCEOの方達の多くもグラスゴーまではプライベートジェットを利用したため空港はパンク状態になり、はみ出したジェット機は最寄りの空港に駐機したそうで、この(頻繁な、近所までの)離陸着陸にも大量のCO2が排出されてしまいました。

1番派手だったのはアメリカで、貨物機も合わせて4機で飛んできたそうです。その中には大統領専用の特別車、護衛の車、ヘリコプター、も入っていたそうですが、それにしても4機。車は一体何台はるばるUSから運ばれてきたのでしょうか?

プライベートジェット機で来た大臣、ロイヤルファミリー、CEOの方達が活動家たちに偽善者と呼ばれてしまうのも納得できました。正確な数は公開されないので不明だそうですが、400機ぐらいと推測されています。初日の日曜日の数時間だけでも52機が確認され、約13,000トンの排気量。それは1600人が1年間に排出する量と同じだそうです。国民一人一人が大好きなステーキをあきらめて、洋服のほつれを直しているのに、なんとも矛盾した話⁉︎

Photo by Jakob Rosen on Unsplash

作成日:11月4日

参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/59135899https://www.bbc.co.uk/news/business-58959045https://www.bbc.co.uk/news/science-environment-58171814Daily Mail National World 、https://www.nies.go.jp/kanko/news/21/21-1/21-1-05.html

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