青空に浮かぶ飛行機雲、実は悪者?

「飛行機雲」と言うとユーミンの「空に憧れて…あの子の命はひこうき雲〜♪」のメロディーを思い出すのですが、その飛行機雲が実は地球の温暖化の原因になっている、という気になる記事がありました。(https://www.bbc.co.uk/news/business-58769351)

最近まで政府も航空業界も飛行機が排出するCO2を抑えることに力を注いでいました。と言うのは航空機が出すCO2は世界中で1年間に排出されるCO2の2.4%を占めているからです。

ところが一部の科学者たちはContrails(飛行機雲)が放出する放射能の方が、地球温暖化にさらに大きい影響を与えている可能性があると警告しています。

飛行機雲はすぐに消えちゃうのに何故?と思いましたが、数時間、あるいは一日中残っている時もあるそうです。そして飛行機雲がなければ宇宙空間に逃げていくはずの熱を閉じ込めて吸収することにより温室効果を作ってしまっていることになります。この現象は気温の低い夜間に悪化するそうです。夜の飛行機雲は長く留まるのでもっと悪者?

この悪者退治方法は実はそれほど難しいことではないと言う嬉しい情報も書かれてありました。

飛行機雲は全ての飛行機が形成するわけではないので、2%以下の航空機の航路を変えたり高度を変えたりするだけで温暖化による影響を60%近く減らすことができる、とロンドン インペリアル カレッジのMarc Stettler教授が述べています。

ドイツの雲専門の物理学者Christiane Voigt教授もこのことを明確に指摘していました。彼女はドイツ航空宇宙局センターと共同で、特別仕様の飛行機を使って飛行機雲の影響を測定し、軽減するための実験を行っています。この飛行機は翼に測定器をつけ、飛行機雲の特性や放射線による光を測定しているそうです。その結果、ほとんど費用をかけずに飛行機雲が発生するのを80%ぐらい回避できたとのこと。回避方法は先述の航路・高度の変更です。

英国王立航空協会のKeith Hayward教授も、飛行機雲の発生を防ぐために必要なフライトプランの変更は、ソフトウエアの調整だけで済むかもしれないし、比較的低コストで実現できるだろう、と言う考えです。

Hayward教授は今後はどうやってフライト中に乗客に不快な思いをさせずに高度を変更できるかなどの課題があると心配していますが、Voigt教授は、飛行機雲を形成したり乱気流の原因となる水蒸気の多い地帯を避けることになるので、逆にフライトが快適になると述べています。

オーストリアの航空専門ソフトウエア会社;Flightkeysの共同創設者で自身がもとパイロットのRaiund Zopp氏も2023年までにフライトプランに飛行機雲の回避を含めることを計画しているそうです。

今までは政府も業界もCO2問題を優先している傾向にありました。イギリスの管制塔などを管理するNATSのJarlath Molloy博士も、今まで航空業界はCO2以外の問題に焦点を当てていなかったことを認めています。同氏によると、飛行機雲回避は運用面での項目が一つ増えるだけで、たとえば冬に大嵐を避けるためにフライトプランを変更するのと同じだと言う事です。

カーネギー科学研究所の大気科学者、Ken Caldiera教授によると飛行機雲回避策には年間10億万ドル以下しかかからず、それによる純利益はその1,000倍以上にもなると試算しています。それにしても「10億万ドルしか」って…。

フライトプランの変更やパイロットへの訓練の他には、飛行機雲税(鞭)や回避した場合はリベート(飴・ご褒美)の導入も検討されています。

青空というキャンパスに壮大なお絵描きをしたような飛行機雲が見られなくなる日が来るのは残念ですが、これだけ悪影響を与えていたのなら早く退治しないといけないですね。

最後になりますが、日本は何か対応策を取っているのかと日本語のサイトを調べてみたところ、飛行機雲が地球温暖化加速の要因、という記事を見つけました。その記事の掲載日をみたら2011年3月30日、つまり10年以上も前の話!さらに調べてみたところ2004年にNASAも飛行機雲と地球温暖化の関連を指摘していました。(NASA、飛行機雲と地球温暖化の関連を指摘

その記事の最後には、飛行機雲と地球温暖化の問題を関連付けた研究はこれが初めてではなく、1999年に『気候変動に関する政府間パネル』(IPCC)が「世界で1万2000便の民間ジェット旅客機が作り出す飛行機雲によってもたらされる地球温暖化の効果は、これらのエンジンがジェット燃料を燃やして排気する二酸化炭素と同程度と見積もっていた。」と書いてありました。

BBCの記事内にも「今まで見過ごされてきた問題」との表記がありましたが、世界中ですでに気づいていたにも関わらず20年以上も見過ごされ続けていたということでしょうか?あるいは10月から始まったTBSの日曜劇場「日本沈没」の田所博士と同様に科学者・専門家の意見(訴え)は常に無視されていたとか?

作成日:10月25日

参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/business-58769351https://jp.reuters.com/article/idJPjiji2011033000412WIREDhttps://news.yahoo.co.jp/articles/a9746d61f2ce62a924e1646ba6422516841c1a3c?page=3

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