ピークを迎えた若者と増えている高齢者の感染

イギリスでは国家統計局が全土に渡って無作為に選んだ人達にテストキットを送付し、コロナ感染者の数を調べていますが、それとは別にロンドンのインペリアル カレッジ大学がイングランドだけを対象にし、やはり無作為に選んだ人達(月に約11万人)にテストをしてもらい、取得したサンプルを科学者が分析していました。こちらはREACTと呼ばれ、Real-time Assessment of Comunity Transmissionの略です。

そのREACTによると、どうやらやっと若者と子供のコロナ感染がピークを迎えたようだという報告がありましたが、重症化する確率の高い高齢者の感染はまだ増え続けているとの報告もありました。

全体としては3月がパンデミック以来の最高記録になってしまい、そのほとんどがオミクロンの亜種であるBA.2であることもわかっています。イングランドの6.37%の人が感染していたと推定され、2月の2.88%に比べると倍以上増加していました。1月の最初のオミクロンのピーク時に比べると40%の増加です。感染者数は30日ごとに倍に増え、R値は1.07だそうです。(R値とは実効再生産数のことで、1人が何人に感染させるかを示す数

このBA.2は3月22日の時点で感染者の94.7%を占めていましたが、2月は47.2%、1月は0.8%でした。この数字からもBA.2の感染力が高いことがわかっています。

また2月からは家庭内感染が著しく増えていて、これはほとんど全ての規制が無くなったことと関連しているようです。家から出なくても家族が持ってきて、その後はどんなに気をつけていても空気感染してしまうと言う話も聞きました。

若者と高齢者の感染については5歳から11歳までの子供たちは8.81%(10人に1人)と高止まりしていますが、5歳から54歳までの感染者は増えたとしてもゆっくりか、減少方向にあるようです。ただし55歳以上の間では増え続けていて、特に75歳以上では2月の約3倍の4.61%が感染していたと推定されています。

これはブースター接種が9月から展開し始め、若者はつい最近受けたばかり、高齢者はブースター効果が弱まりつつあることと関連していると言われています。

また数は少ないのですが、BA.1とBA.2の混ざった新しい種類のオミクロンも見つかりオミクロンXEと呼ばれています。世界保健機構(WHO)によるとXEはBA.2よりも10%感染力が高いかもしれないとのことですが、まだ数が少ないので確証はないとのことです。インペリアル カレッジもXEの感染力に関しては、数が少なすぎるので何も見解を発表していません。このXEはある1人の患者がBA.1とBA.2の両方にまったく同じ時期に感染してしまったことにより出現した可能性があるとのことでした。

このインペリアル カレッジのREACTは2020年の第一波が始まった時に設立され、アルファ株を含む数々の重要な発見をして、政府に助言していましたが、今回の報告書が最後になるそうです。政府のウイズコロナ対策でもう今後は予算が出ないとのこと。もう一方の全国規模で調査が行われている国家統計局の方は当分継続するそうです。

最後にREACTのチームリーダーのポール エリオット教授からの言葉を引用します。

“Although restrictions have ended, I would urge people to still behave cautiously to help protect others who might be vulnerable.”Prof Paul Elliott

(規制は全て終了しましたが、これからも脆弱な人達を守るためにどうか引き続き慎重に行動してください。ー ポール エリオット教授からのメッセージ)

Photo by Rod Long on Unsplash

作成日:4月6日

参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/health-61002492https://www.imperial.ac.uk/news/235377/16-infected-with-coronavirus-react-study/https://wired.jp/2020/05/09/coronavirus-r-number-uk/

アイキャッチ画像:Photo by Helena Lopes on Unsplash

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