干ばつ下のイギリスで秋だと勘違いした木々達

近所を歩いていると真夏なのに枯れ葉が多いことに以前から気づいていて、何でだろうと思っていたところ、先日その答えが見つかりました。

やはり干ばつが原因でした。

この「一見早く秋が訪れたように見える現象」は、専門家によると「偽の秋」だそうです。熱波や干ばつによって、木々達は「サバイバルモード」に入ってしまったとか。その結果落ち葉や黄葉、と言うよりも茶色い葉っぱに変わってしまいました。中には死んでしまった木も。

別な専門家は「木がストレスを感じ、早々に店仕舞いしてしまった」と言う表現を使っていました。「郊外の木々達を見ると、45年間で一番被害が多い年でした」とも。

大きくなって地面に根っこを生やした木は、今夏の干ばつにも熱波にも耐えられているけれど、例えばまだ植樹したばかりの若い木は枯れてしまうのだそうです。そして一部が茶色くなってしまっていても生き返るかどうかは、葉っぱが水分を吸収できるか否かにかかっていると。

木の種類によっては例年よりも多く種を生産する木もあるとか。ドングリなどがその一例で、将来に望みをかけて生き残るために起こる現象だそうです。自然の摂理ですね。

この勘違いにより、一足先に実をつける木も出てきました。通常は早くても8月で、9月と10月が収穫期のブラックベリーの実が今年は6月28日には観測され、今までにない早さだったそうです。

そういえばヒイラギも赤い実を付けていて、「まだ7月なのに」と不思議に思ったことがありました。近所だったので、まだあるかどうか見に行ったところ、干からびた葉っぱの間に赤い実を見つけました。なんだか痛々しい。ヒイラギと言うと濃い緑と真っ赤な実のイメージでしたが、そこに茶色が入るとは。

ところで早く実がなると鳥達が早く食べることができるのでいいのでは、と思ったのですが、自然のサイクルを乱すので、「災害」だそうです。

またこの干ばつの影響が長期的にもたらす影響はまだ予測できないけれど、野生生物には大きな影響を与えることが懸念されています。特に川沿いでは今年の干ばつの影響が何年も残りそうだと。川の水位が下がると魚や両生類などの生き物が減少し、生態系全体に影響を及ぼすことになってしまいます。昔習った「食物連鎖」が頭に思い浮かびました。

この記事の最後には、英国生態学・水文学センターのバウズ博士が「干ばつの影響を受けた河川域の植物が回復したり、再度『群れ』となって生息するまでに数年かかることがあり、深刻な干ばつの影響は長期化する可能性があります」と述べていました。

どうにか雨がまた降って欲しいものです。

自然はたくましく、先週降った雨で芝生にも緑が少しだけ戻ってきました。そして死んでしまったと思った植物も下の方を見るとまだ緑が残っていました。夫は「茶色が緑になってきたよ、復活だ」と言っていますが、私は今まで見えなかっただけで元から緑が残っていたのではと思っています。証拠写真を撮ったので、また数日後に調べてみることにしました。

作成日:8月22日

参考記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/science-environment-62582186

アイキャッチ画像:photo by Nobuko

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