干ばつ非常事態宣言発令中のイギリス

2日前の8月11日に「猛暑(と干ばつ)の影響を受けている野生生物」についてのブログを書きましたが、今朝のBBCでは干ばつに対する非常事態宣言が一部で発令されたと報じられていました。

イングランドの一部の地域では6月末から42日間、雨が降っていないそうです。そしてこの乾燥した状態は7月が観測史上最も雨の降らなかったことも影響していますが、ここ1年間のうち9ヶ月は平年よりも降雨量が少ない月でした。

干ばつの影響はというと、野生生物の危機だけではなく、農作物の不作、山火事、良質な飲料水の不足、また大気質、衛生環境にも悪影響を与えてしまいます。

非常事態宣言はイギリス全土ではなく、地域ごとに発令されます。そして発令は政府、水道会社、ナショナル ファーマーズ ユニオン(農協のような団体)、などにより形成されているナショナル ドラウト(干ばつ)グループによって決定されます。発令後も環境庁など、他のナショナル ドラウト グループに所属する団体により、降雨量、川の流れ具合、地下水位、貯水池レベル、土壌水分について調査を続け、その報告により、公共の水道供給、企業や農業など水を使う人々への影響、環境への影響を検討していくようです。

非常事態が発令された場合、すぐに実施されるのがホース禁止令で、既に発令前には2カ所で出されていましたが、現在は5カ所の地域でホース禁止になりました。

この暑い夏休み中に庭でビニールプールに入れない子供たちはかわいそうですね。

Photo by Toni Cuenca on Unsplash

他にはホースを使って庭の池に水をやること、洗車、花に水やりなども禁止です。車は埃をかぶっても汚れても走れますが、池に住んでる魚たちはどうなるのでしょう?ひたすらバケツをかかえて往復するとか。

我が家の庭も干からびています。上2枚が通常の緑の芝生、下2枚が今朝撮った写真です。

Photo by Nobuko

こんな中、水道会社に対する批判も出ています。なぜかと言うとイギリス全体で毎日約40億リットルの水が漏水によって失われていると言われ、これは水道水全体の20%から24%の量になるとか。4分の1近くもです。国民に我慢を強いるよりも、ヴィクトリア時代からのシステムを使っているために起こっている漏水の工事が先ではないかと批判されているのです。関係者によると「状況は改善している」そうですが。

来週には気温が下がり、一部の地域では激しいにわか雨や雷雨も予報されています。

これでだいぶ水不足が解決されるので「うれしい予報」だと思ったのですが、この乾燥した状態で大雨が降ると、地面がコンクリート状態になっているので水を吸収することができず、土石流などの鉄砲水が発生する危険性もあるとのこと。それを避けるためには小雨が必要なのだそうです。

大雨を降らせず、小雨を降らす、これは人間の手には及ばないことですね。

Photo by Jan-Willem on Unsplash

作成日:8月12日

参考記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/live/uk-62499531https://www.bbc.co.uk/news/uk-62508521

アイキャッチ画像:近所の公園、普段は一面緑の芝生(by Nobuko)

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