解任されてしまったイギリスのクワーテング財務相

9月27日のブログではクワーテング財務相がミニ予算で減税対策を発表した直後から、ポンドが大幅に下落し、株式市場も政府も混乱状態にあることを書きました。その後も混乱状態は続いていましたが、今日はその混乱を招いたクワーテング財務相が解任されるというびっくりニュースが入りました。在任してから38日目という短い期間でした。

クワーテング財務相1人が考えた政策かというと、トラス首相ともちゃんと話し合い、彼女も合意したわけなので、「彼だけ解任というのはなんだかトカゲの尻尾切りみたいだな」と思ってしまったのは私だけではないはず。

後継者に選ばれたのはジェレミー ハント氏。彼はジョンソン首相の退任が決まった時に、次期首相に立候補したものの、第一回目の投票時に必要最低限の30票に届かずノックアウトされてしまった2人のうちの1人でした。実際は18票。(詳しくはこちらのブログをお読みください)

その彼は日本語を流暢に話すそうです。1990年代に2年間日本で英語教師をし、その間習ったのだとか。日本通なのは少し嬉しいですが、それ以外にも「彼にはたくさんの外交経験と政治手腕があるので財務相に選任したのは正しい判断だった」と元財務大臣で今は政治評論家のデヴィッド ゴーク氏もコメントしていました。

さて、尻尾を切ったトラス首相はこれで安心か、というとそうではなく、今日行われた記者会見の後、多くの人に批判されていました。記者会見も10分という短いもので、これは「記者からの質問に答えられないから短く設定した」と言われています。またスコットランドのニコラ スタージョン首相は、「トラス首相はレームダック(役に立たない人)だから早く総選挙を」と発言しています。議員の1人は「今日の記者会見は交通事故のようなもので、首相は生き残れるとは思えない」とコメントしていました。それに選挙時の公約であった税金カットも一部取り消したので、約束が違うじゃないかになっています。他にも「プレゼンテーションのスキルが無い」とか、「ビザール!(異様、みょうちきりん、ヘンテコリン)」とか「チェックメイトだ。もうだめだ」とも。

トラス首相はたぶん今月いっぱいは大丈夫、もしかしたらクリスマスまでは持つかもしれないけれど、その後も首相であり続けることは想像できない、と言う説もあり、週明けの株式市場の様子で進退が明らかになるとも言われています。

また夕方6時過ぎに入った速報によると、トラス首相は週末にはロンドン近郊にあるチェッカーズという別荘で仕事をするそうです。月曜日までに名誉回復になるようなすばらしい対策を捻り出すことができるのでしょうか。

Photo by Nick Kane on Unsplash

作成日:10月14日

参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/live/uk-politics-63221738

アイキャッチ画像:Photo by Mark Stuckey on Unsplash

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