トラス首相、とうとう(やはり)辞任

昨日のブログでトラス首相が退陣する場合に3つの方法があると言うことを書きましたが、なんと今日のお昼過ぎにそのトラス首相が首相官邸前での緊急声明で辞任することを発表しました。

昨日は「私はファイターであってクィッターではない!」(注:クィッターとは辞める人、去る人と言う意味)と意気込んでいたのに、その後こんなに早く辞めることになるとは。

結局3つの方法のうち一番簡単な「自ら辞任」になりました。ちなみに原文には「背中を押される前に自分から飛び込む」と書かれてありました。

印象的だったのは、声明を発表している時にまばたきが少なかったこと。特に、「私は辞任することにいたしました」と言った時は目をかっと見開き、一気に話し終えました。それを見ていて、「あ、この人辞めたいと言うのは嘘ではなく、本当に辞めたいんだな」と思ってしまいました。

次はどうなる?と世間は騒いでいますが、来週末の金曜日までには後任者が選出されると首相の退陣スピーチで述べていました。ただ労働党の党首やスコットランドの首相は総選挙をするよう主張しています。首相を取り替えてもダメだったので、党ごと取り替えるしかないのでしょうか。

さて、歴代首相の中で誰が一番短いのかな、と日本とイギリスの両方を調べてみたところ、日本でも短い首相がいました。

昭和に入ってからの首相で短かったのは東久邇宮 稔彦王 54日、羽田 孜氏 64日、石橋 湛山 氏 65日、宇野 宗佑氏 69日、森 喜朗氏 91日でした。

イギリスの首相を調べてみたところ、一番短かったのは1746年の2月10日に首相になったバース卿で、たったの3日間。首相になったので大臣を任命して内閣を形成するはずが1人しか大臣になってくれなかったため退任したとか。

最近ではやはりトラス首相がダントツ1位。次期首相が決まるまでは首相なので明日決まれば45日間。来週決まったとしても50日程度。2位は1827年まださかのぼり、ジョージ カニングの119日間でした。彼の場合は残念ながら在任中に肺炎で亡くなってしまいました。

トラス首相は今年の7月に次期首相に立候補した8名のうちの1人で、数回にわたって1人ずつノックアウトされてリシ スナック氏と共に最後の2人に選ばれました。その後夏休みを返上して選挙活動をし、保守党員8万1326人の支持を得て当選、リシ スナック氏は6万399票。投票率は82.6%でした(詳しくはこちらのブログをお読みください)。これだけ頑張って勝ち抜いたのに、もしかしたら選挙活動をしていた期間と在任期間がほぼ同じぐらい。

どこの党首がなるかはわかりませんが、この10%以上という異常なインフレ率、特に光熱費の高騰で長い冬を前に不安に陥っている人たちを救ってくれるヒーロー(ヒロイン)のような新首相が誕生しますように。

Photo by Mehdi MeSSrro on Unsplash

作成日:10月20日

参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/live/uk-politics-63309400https://www.kantei.go.jp/jp/rekidainaikaku/index.htmlWikipedia

アイキャッチ画像:Photo by Ricardo Frantz on Unsplash

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