ボリス王国崩壊間近？

12月11日のBBCに、政治記者であるLaura Kuenssberg氏による「Is ‘Planet Boris’ finally going to implode?（ボリス惑星はついに崩壊するのか？）という記事が掲載されていました。

この時点での主な崩壊原因は以下でした。

首相官邸で行われていたクリスマスパーティーを首相は何度も否定し、たとえ何かが行われていたとしてもルール違反はしていないと言い切っていること。そして否定した後に「パーティーが行われていたことがバレた場合の記者会見の予行演習」を首相報道官がしていた動画が流れてしまったこと。
保守党議員が汚職したことに対して、その議員を守るために規則自体を変えようとしたこと。
首相官邸の彼と家族が住むスペース（フラットNo.11）の豪華な改築資金調達に関して保守党に罰金が課されたこと。なぜかというと改修費用を政治献金から（内緒で）捻り出そうとしていたから。

そしてこの記事が掲載されてからもまだ毎日次々と崩壊の道を辿るような記事が掲載されています。たとえば汚職疑惑で退任した議員の代わりに、その地区で新しい議員を選ぶ選挙が行われましたが、その地区では200年以上も保守党が議席を守っていたのに今回は野党に取られてしまったこと。しかも圧勝。これは「相手の候補者が優秀だったから選ばれた」というよりも、「保守党じゃなかったから選ばれた」という説も（つまり反ボリス派が多過ぎた）。

またパーティの疑惑を晴らすために調査を依頼していた官房長がその役を降りたこと。降りた理由が実は本人のオフィスでも同様のパーティが行われていて、それを見て見ぬふりをしていたらしいことがバレたのです。

なお、パーティーはこのクリスマスパーティーの1件だけではなく、その前にも議員の退職パーティーなどが他でも開催されていたのがバレています。世間ではこの時期の退職者はパソコンや携帯、入館証などの会社の備品を自宅から郵送して静かに辞めていく、あるいはほとんど誰もいないオフィスに返却に行き、オフィスにいる人とは２mの間隔をキープしたままお別れのご挨拶のみ、というのが一般的だったはず。

そして今朝、またしても全国紙のガーディアンが告白記事を掲載し、まるでトドメを刺したような朝でした。

今回暴露された写真は、2020年の5月に彼と彼の奥さん、そして議員たち17名が庭で集まって庭でワイン片手に談笑している写真。無断掲載は禁止されていると思うので、写真を見たい方はこちらから（→ Boris Johnson and staff pictured with wine in Downing Street garden in May 2020）

これは当時の保健相のマットハンコック氏がテレビの記者会見で国民に対して、「これからいくらいいお天気になってもソーシャルディスタンスは守るように」と警告した直後の写真というからびっくり。もっとびっくりするのが、この保健相は数ヶ月後自らソーシャルディスタンスルールを破ったのがバレて保健相を辞めているという事実。

その当時のルールは、同居家族以外は家に入れることは絶対にダメ。屋外でも一人だけ。それも２mのソーシャルディスタンスは厳守、という厳しいものでした。入院している家族への面会、老人ホームへの面会は危篤の場合でもできませんでした。私たちも同居していない息子（元気です）にはなかなか会えず、会うとしたら外で、しかも夫婦のどちらかだけというルールでした。