スーパーの値引きシールは将来無くなる?

日本のスーパーでもよく見かける食料品売り場の値引きシール。イギリスでも賞味期限が近づいた食品にはよく黄色いシールが貼られています。中にはそれをささやかな楽しみにしている人も。「チリも積もれば山となる」で「年間にすると数万円も得をする」と、バーゲンハンターのポリーさんは今朝のBBCの記事で述べていました。近所3か所のスーパーでいつどのタイミングでシールが貼られるかを把握しているそうです。そして黄色いシールを見つけるとドーパミンが出るのがわかるとか。

その彼女の大好きな値引きシールは将来デジタル化されて、消滅してしまうそうです。すでに欧州の他の国では導入されているところもある「ダイナミックプライシング」というAI(人工知能)が管理するシステムに、イギリスも近い将来変わるとか。それが導入されると黄色い値引きシールの代わりに、商品棚の前に値引き価格が表示されるか商品そのものにハイテクシールが貼られるようになるそうです。そのシステムが導入されると在庫管理もできるようになり、瞬時に去年の同時期と比較することも可能。そうなると在庫管理をする人、去年の売り上げと比較分析をする人、そして店内を周り、値引きシールをガンのようなものを片手に持ち次々と貼る人など、なんだかまた大勢の従業員が不要になってしまいそうです。

そのダイナミックプライシングというシステムのひとつはイスラエル製。欧州ではスペインのスーパーDIA、イタリアのイーペル、ドイツの業務用スーパーメトロ、オランダのホーフリートですでに導入済みだそうです。

イギリスでは来年前期の導入を検討中。また大手スーパーのアスダはフランス製のシステムの試験導入をすでに始めたようです。

それらのシステムを導入することにより生鮮食品では10%の売り上げ増大が見込めるとのこと、これは賞味期限が過ぎてしまったことにより破棄する食品(いわゆるフードロス)を減らすことによります。また賞味期限が近づいた食べ物をAIが検知して値引きするだけではなく、在庫管理も即時にできるので、注文し過ぎなどを防ぐことができるようになるというメリットもあります。ある報告によるとイギリスのスーパーマーケットは一年に30万トンの食料を破棄しているとの報告もありました。30万トンの食料がゴミとして処理されていたなんて驚きです。

導入したスーパーの一例として、全く同じヨーグルト1パックでも賞味期限が9月15日までのは1ユーロ、9月22日までのが1.2ユーロとの価格表示がありました。今までは棚の奥から賞味期限の長いものを選んでいた消費者は今度からは0.2ユーロ(32円)多く払うようになります。というか、それが定価ということでしょう。

この在庫管理もできるシステムは逆効果も心配されています。よく売れる商品は値下げがなく、売れない商品は値下げ。となると年金受給者(ご高齢の方)が多い地域では、高齢者の好みも似ていることから、例えばの例ですが、豆腐や薄味の食料品などがよく売れることから、それらの商品は他の地域よりも高くなってしまうこともあり、注意が必要です。

そうならないようにガイドラインも作り、AIが消費者にとってネガティブな価格設定をしないようにすることが必須だとダイナミックプライシンングのシステムを提供するAcumenの共同創立者のウィル氏が述べていました。消費者にとっても、小売業者にとってもメリットがあるようにして欲しいものです。

記事の最後に前述の値引きシールが大好きなポリーさんは、「シールが廃止になるのはとても残念だけれど、食べ物が無駄にならずに済むのはいいことです」と、このシステムの導入に賛成していました。

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日本ではどれだけの食料品が無駄になっているかを調べたところ、消費者庁のサイトによると、なんと年間523万トンだそうです。さらに別なサイトによると、世界で一番フードロスが多い国は中国で、次にインド、ナイジェリア、インドネシアと人口の多い国が続き、日本は14位でした。人口の少ないイギリスは23位です。上には上が…。

作成日:12月1日

参考先記事URL:https://www.bbc.com/news/business-67507932食品ロスについて知る・学ぶhttps://eleminist.com/article/1662

アイキャッチ画像:Photo by Emmy Smith on Unsplash

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