ウイズ コロナに移るイングランド

昨日ジョンソン首相は予告した通り「イングランドでは24日からコロナに関する全ての規制を無くす」と発表しました。

今日のBBCの記事には「もう首相はコロナに関して国が大幅に介入する時期は過ぎたと思っている」と書かれてあり、「コロナと共存する(原文はLiving with the virus)と言うことは、これからは国が法律によって強制するのではなく、各個人が判断して行動することを意味する」とも。(とは言っても今までも法律を守らない人は大勢いましたが。例えばロックダウン中にパーティーに参加したり?)

また「首相は、今までずっと規制が厳しすぎるし、規制期間が長すぎると散々文句を言っていた仲間の議員たちを満足させることになるので、一安心しているはず」だそうです。

でも規制を全て無くすと言うことは人々の生活にも大きな影響を与えることになります。4月1日からは今まで無料だった検査も、無料配布していた簡易テスト用キットも有料になってしまうそうです。PCRテストセンターを廃止し、病院など限られた場所でしかテストが受けられなくなるとも言われています。そうなると感染者と濃厚接触した場合や、自分自身がコロナの症状が出ている場合でも、検査せずに外出、あるいは通勤・通学する人が増えるので、既往症のある人や抵抗力の弱い人にとっては外出そのものが恐怖になってしまいそうです。

また国会では新たな変異株が出た場合にすぐに大規模なテストが受けられるような予算を取っておくべきか否かも財務省と保健省の間で揉めたようです。今後も予算を確保しておくべきだという保健省と、もう散々使ってきたのでこれ以上は出せないという財務省。この議論は当初5億ポンドを要求していた保健省が、要求額を3億ポンドに値下げし、さらに1.8億ポンド、最後は保健省が持っている予算内で現金を移動することだけが認可されたそうです。つまりほとんど予算は無し?

首相官邸も財務省側を支持しているようで、このことからもコロナ対策のための費用は上限無しに使っていたのはすでに「過去の話」になりました。

首相は慎重派の科学者たちと政治家たちの間には大きな隔たりはないと言っているそうです。でも昨日の緊急記者会見では、首相はこの制限を無くすことに誇りを持っている発言をしているようでしたが、チーフ メディカル オフィサーのウィッティ氏や科学者のチーフ アドバイザーのヴァランス氏は、まだ終わったわけではない、リスクは残っているので、今後も注意を怠らないで欲しいと呼びかけていました。特にいつもは淡々と落ち着いて発言していたWhitty氏が昨日だけは時々とても早口になり、なんとか時間制限内に国民に終わりでないことを伝えたいとしている雰囲気が伝わってきました。

とは言えいつまでも規制が続くと経済にマイナスの影響を与えるし、今まで待たされていた他の病気で苦しんでいる人の治療にも予算を取らなければいけないので、いつかは世界中でこの判断をしなくてはいけないのですが、どこよりも早く規制を無くし、一番のりになったのを喜んでいるかのような首相でした。

チャールズ王子、カミラ夫人に続いて陽性になってしまった女王様も自主隔離無しでしょうか?軽い風邪の症状とのことですが、1日も早く全快しますように。

作成日:2月22日

参考記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-60472648

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