祝日の少ないイギリス、新規祝日申請中?

昨日のBBCに、今年の臨時祝日を来年からも継続するよう求める声が上がっているとの記事がありました。

臨時の祝日とは女王様の即位70周年を記念して設けられた6月3日(金)の祝日のことで、祝日名は「プラチナム ジュビリー バンクホリデー」。

通常は5月の最終月曜日が「スプリング バンク ホリデー」になるのですが、今年はそれも6月2日(木)に臨時移動。大半の人が6月2日から5日まで4連休になります。

5月30日(月)を例年通り休みと思い込んで予定を立ててしまっている人もいるのでは、と要らぬ心配をしています。

この新規祝日を申請しているのは数名の業界のリーダー達で、ジョンソン首相宛に署名入りの手紙を提出したとか。署名者は英国産業連盟、ホスピタリティー事業、有名ブランド企業の人たちで、来年からは王室や官公庁に感謝する日(サンク ホリデー)にするよう要請しています。

申請理由は、これにより経済的効果(エコノミック ブースター)が見込めるので、コロナで打撃を受けていた数年間からの景気回復になるとしています。

旅行業界、娯楽施設、飲食店、小売店などは確かに経済効果が見込めるかもしれせんが、政府はそう簡単にOKとは言えないようです。

この判断を下すのはビジネス エネルギー 産業戦略省(略してBeis)のお役人の方々。今の所そのような動きをする予定は(まったく)ないそうです。と言うのは政府の発表によると祝日1日追加につき経済損失は約13億6000万ポンド(約2,211億円)だとか。工場が休みになるためその日は生産が止まることや休業日に働くスタッフへの割増賃金などが、損失の原因に含まれます。ただし申請した側が委託した巨大コンサルティングファームのプライス ウォーターハウス クーパース(PwC)によると、経済損失はそこまで大きくなく約8億3100万ポンド(約1,351億円)と見積もっています。その差がなんと860億円?なんだか両者とも大雑把な計算だという印象を受けました。

実はイギリスに来て30年以上になりますが、なんとも祝日の少ない国だなと毎年思っておりました。例えばお正月が終わると4月のイースターまでは休み無し、イースターと5月のバンクホリデー(最初と最後の月曜日)が終わると次は8月の最後の月曜日までは休み無し、そしてそのサマー バンクホリデーが終わるとクリスマスまではまったく休み無しなのです。その数たったの8日でした。ちなみにスコットランドは1月2日も祝日なので9日です。以前のブログ(イギリスー新年の過ごし方)に記載しましたが、ホグマネイというお祭りがあり、大晦日から1月1日の未明まで夜通しで続くので、翌2日はお休みとか。でもクリスマスもしっかりお休みするのでなんだかスコットランドだけオマケの休みがあり不公平感があります。

同じヨーロッパでもオーストリア、ポーランド、ポルトガル、スウェーデンは13日、ギリシャが12日、フィンランド、フランス、ドイツが11日、北アイルランドも同じイギリスなのに10日(3月17日がアイルランドの守護聖人セント パトリックスを祝うセント パトリック デー)、そしてアイルランド、スペイン、スコットランドが9日、イングランド、ウェールズが8日。

ではアメリカは、というと2021年に新たに奴隷解放を記念するジューンティーンスという祝日を追加したので11日になったそうです。

そして日本は16日もありました。それも年始は1月1日だけになっていますが、ほとんどの企業は3日までお休みのはず。それも考慮すると18日?

イングランドの倍もあるので、世界で一番祝日の多い国だろうと思って調べたところ、上には上がいました。

ウィキペディアによると世界一はミャンマーの32日、1月1日が新年でお休みですが、4月にもミャンマーの新年があり、連続8日間お休みのようです。2番目がネパールの30日、3番目がイランの26日、4番目がスリランカの25日と続きます。世界一だと思っていた日本はちょうど真ん中ぐらいでした。

最下位は当然イングランドかと思っていたら、メキシコも8日だけだそうです。そしてなんとスイスは州によっては7日から15日とか。そうなるとイングランドは下から2番目?

「各国祝日数比べ」になってしまいましたが、この新規祝日の申請が通るかどうか、少し気になりました。なお今週末は週明けの月曜日が「アーリー メイ バンクホリデー」の為イギリス全土でお休みです。

ロンドンのタワーブリッジ:Photo by Julia Solonina on Unsplash

作成日:4月28日

参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/business-61219129https://www.gov.uk/bank-holidays#england-and-waleshttps://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_number_of_public_holidays

アイキャッチ画像:ミャンマー、Photo by Alexander Schimmeck on Unsplash

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