議員も辞めたボリス ジョンソンの今

今月6月9日に議員職を辞職したジョンソン元首相。辞職していなかったら、今頃90日間の停職処分を受ける羽目になるところでした。

彼がパーティー疑惑で議員たちを欺いたのか、つまりみんなの前でウソをついたのかどうかの審議が1年近く行われていましたが、その審議の結果がようやく公表されたのが、翌週15日のことでした。そこで有罪、ではなく、「やはり欺いていた」という結論が出たのです。その後に行われた国会議員全員による投票でも、審議会の出した結論が正しいということが決まれば審議会が提案した(処分の中では一番重い)90日間の停職処分になるはずだったのでした。その投票ですが、審議会の結論に賛同した議員が354名いたのに対し、彼は欺いてなんかいないと反対した議員はたったの7名でした。大多数が審議会を支持したことになりますが、国会議員はもっとたくさんいたはずです。調べてみたら議員総勢650名のうち289名が国会をお休み=投票を棄権した計算になりました。またジョンソン氏が所属していた保守党の議員のうち118名が審議会の結論に賛同、225名が棄権したそうです。棄権した議員はジョンソン氏に恨まれるのが怖かったのでしょうか?そして棄権した議員の中にはスナック首相も含まれていました。「やむをえない事情」でその日の国会はお休みでした。そのことで今スナック首相は「臆病者」とか、「弱虫」とか反対派に色々言われている最中です。

さて、ジョンソン氏ですが、議員職を退いたため、議員としての年収£86,584(約1千600万円)は受給できなくなりました。それで困っているかというとそうでもなく、すでに首相を辞めてから今まで£6m(約11億円)の収入を得ていたそうです。主に講演料です。スポーツ界の有名選手は引退後でも広告に出たりして大金を稼ぎますが、国会議員はコマーシャルに出るわけにもいかないので、広告収入はなさそうです。

また辞めたといっても時がくれば議員年金は受給できるし、退職金の£19,000(約350万円)も受け取る(受け取った?)ことになっています。さらに元首相には特別手当(元首相としての品位を保つため)としてこれから先(永遠に)年間£115,000(約2千万円)を受け取る権利も持っています。そして先ほどの講演料などの収入も。さらに彼は「話せる」だけでなく「書ける」ので、執筆による収入も高額のようです。本を出版するにあたって前払金も受け取っているとの記載もありました。詳しくは過去のブログをご覧ください (稼ぎ始めたボリス ジョンソン

なお懲戒免職は免れたジョンソン氏ですが、通常は議員を辞めた後も国会議事堂への通行証が発行されるのに、彼の場合は通行証がもらえないことが決まったようです。もう国会議事堂の敷居はまたげないのでしょうか。彼の場合はなんとかしてまた通行証を手に入れそうな予感がします。

作成日:6月22日

参考記事URL:https://www.bbc.com/news/uk-politics-65913692https://www.bbc.com/news/uk-politics-65890193https://www.bbc.com/news/uk-politics-65961889The Guardian

アイキャッチ画像:Photo by Jurica Koletić on Unsplash

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