イギリスの介護職採用、まずはAIによる面接
介護職の面接をAIが行う——そんな時代がすでに始まっているそうです。
BBCで、介護職の採用にAI面接が使われ始めているという記事を読みました。
応募者は履歴書などの書類を提出した後、人間の面接官と話すのではなく、パソコンやスマホでAIの質問に答えます。
その回答をAIが分析し、介護職に向いているかどうかを判断するのです。
実際にモリーという若い女性は書類を提出した30分後には電話がかかってきたそうです。その声はAIとは思えないほど自然な感じで、隣の部屋で聞いていた彼女のお母さんもまるで人間と話しているようだと思ったそうです。
その面接は5分ほどでおわり、最後に「合格」と知らされました。その後の第二次面接はちゃんとした対人間で1対1、それも合格した彼女は無事介護士になったそうです。
この音声だけのシステムは、すでに14,600人の応募者を面接し、そのうち1,028人が採用されたとか。そしてこのシステムを使っているのはCERAという大手のホームケアプロバイダーで月に2500万回の訪問をこなしています。
介護業界では慢性的な人手不足が続いていて、採用を効率化するためにこうした技術が導入され始めているそうです。イングランドの成人向け社会介護の分野では、現在およそ11万件以上の求人が埋まらない状態が続いています。これは全体の約7%のポストが空席という計算になり、一般の労働市場と比べてもかなり高い水準です。
さらに、高齢化が進むことにより、2035年までに44万人の新しい介護職員が必要になるとも予測されています。
こうした中、AI面接なら、時間や場所に関係なく面接ができ、企業側にとっては採用のスピードをあげることができます。それにAIだと同時に何人もの応募者と面接ができるので応募者の面接までの待ち時間が短くなります。通常1週間以上かかるところをモリーのように30分でできてしまうのです。
一方で、この方法には疑問の声もあります。
介護という仕事は単にスキルではなく「思いやり」「共感力」といった人間的な資質がとても重要です。そうしたものを持っているかどうかをAIが本当に見抜くことができるのでしょうか?
もちろん、AIの活用自体は悪いことではありません。採用の初期段階で多くの応募者を効率的に選別するなど、補助的な役割としては役に立つ場面も多いでしょう。
AI技術は急速に進歩しており、仕事の現場でもさまざまな形で使われ始めています。介護のような「人と人との関わり」が中心となる仕事の世界でも、その流れは確実に広がっているようです。
それでも、相手の気持ちを理解したり、安心感を与えたりする力は、やはり人間ならではのものなのかもしれません。
AIが採用を手伝う時代が来たとしても、「人を見るのは人」という基本は、これからも大切にされていくのではないでしょうか。
作成日:2026年3月5日
参照先URL:https://www.bbc.co.uk/news/articles/cdxg4e1dw12o
アイキャッチ画像:Photo by Dominik Lange on Unsplash



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