ホームズ・フォー・ウクライナ制度とは?
昨日のブログでは、イギリスの受け入れ体制が他のヨーロッパ諸国に比べて著しく遅れていること、そして週明けにはウクライナから避難して来た人たちのホストファミリーになる制度について発表することを書きました。なお、初回の投稿では「ウクライナからの避難民を受け入れた家庭には月に約5,300円の援助金が支給されます」と記載してしまいましたが、53,000円の誤りでした。お詫び申し上げます。
さて、その「ホームズ・フォー・ウクライナ」制度ですが、今日の午後には専用のオンラインサイトがアクセス可能になると書いてあったのですが、このブログを書いている現時点(16時)では、まだそのようなサイトは存在しませんでした。
この制度はイギリスに住んでいる人であれば誰でも応募資格があり、応募条件は特にBBCには詳細情報がなく、「自分の家か自分が所有しているプロパティを最低6ヶ月提供できること」とだけ書いてありました。またチャリティ団体、ビジネス、コミュニティーグループも応募可能だそうです。
ホストファミリーになる場合は政府の審査があり、ウクライナ人の希望者もホストに紹介する前にセキュリティチェックがあるようです。
この制度で受け入れる難民の数には上限がないと明記されていました。
3月4日に「ウクライナ・ファミリー・スキーム」が施行されましたが、こちらはイギリスに血の繋がった家族や親戚がいる場合に限りビザが発行される制度でした。今回導入される制度では事前に受け入れるウクライナ人を全く知らなくても申請できるというのが大きな違いになり、申請後に難民申請しているウクライナ人(あるいは家族)を紹介される形になります。
現時点ではイギリスでの申請方法は決まっていますが、ウクライナ人がどのようにして申請するのかは確定していないそうです。
資金援助については一部昨日のブログと重複しますが、以下の記述がありました。
- ホストファミリーになった人(家庭)には月額£350(約53,000円)の謝礼金が支払われます。ただしこれが避難民1人当たりの支給額か、家族でも同額かはまだ明確になっていません。
- 地方自治団体には、難民一人当たり£10,500(約160万円)が支給されますが、就学児童がいる場合はそれよりも多く支給されるようです。
この制度で入国したウクライナ人はこの先3年間の就労が認められ、公的な給付金、医療機関を含む公共サービスの利用が可能になります。(注:通常外国人がイギリスで働きたくても審査が厳しく、就労ビザもなかなか降りません)
大手スーパーマーケットのセインズベリーズ、マークス&スペンサー、モリソンなどイギリスの小売業がウクライナ難民の雇用を既に申し出ています。
また政府はペットを連れてイギリスに来たいと考えているウクライナ人へのサポートも今後検討するそうです。
尚、ウクライナの隣のポーランドでは難民の数が増え続けているため、何人でもどんなことをしてでも受け入れたいと考えていた人達も限界に近づきつつあるようです。その中の1人がホテルを避難民に提供して毎日食事を提供しているホテルのオーナーであるダミアン ポテルカ氏で、「自分も父親なので、子供が逃げて来た時は思わず助けたいと思った。でも無償で食料を提供できるのは長くても後2週間が限度かもしれない。その後は次に何ができるかを考えている」と述べていました。彼とボランティアの人達はホテルのキッチンで難民300人分の食事を作り、避難所に届けているそうです。
彼の住んでいるザモスク市の市長さんも、「市全体に大きな負担がかかっているので、この先受け入れにも限界があると懸念しています。難民の第一波が来た後に政府やEUからなんらかの支援が得られると思っていたがまだ放置されたままです。助けたい気持ちは市民全員が持っていても、もてなしの質が下がってしまいます。」と述べていました。世界中の人たちが寄付しているお金は、ウクライナのすぐ隣の国であるこのザモスク市には届いていないようです。
追記:
夕方5時ごろに確認したところ、サイトにアクセスできました。こちらになります→ Homes for Ukraine
最初にこの新制度の概略、よくある質問、個人での申し込みか団体かなどのリンクがありました。「個人」を選択するとさらに詳細な説明のページが表示され、登録ボタンがあります。登録ボタンを押すと、家の間取りなどを記入するページへ移動しました…が、申請はしていません。
作成日:3月14日
参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/60735121、https://www.bbc.co.uk/news/world-europe-60731369
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