UKはウイルスのホットスポット?

今朝のBBCによると8月には景気が回復し、全体では0.4%ですが、文化・娯楽・リクリエーション関係では9%も回復。飲食産業は10.3%、宿泊施設(ホテル、キャンプ施設)は22.9%だったそうです。(https://www.bbc.co.uk/news/business-58894904)

7月19日にロックダウンが緩和された後、多くの人が旅行に行ったり外食をしたり、スポーツ観戦、野外、屋内コンサートに出かけ始めました。よって景気も回復。

ただ多くの人が集まるとやはりウイルスも人から人へと感染し続け、最近の感染者数はいまだに一日4万人近く。他の国に比べると多いです。

From: https://coronavirus.data.gov.uk/details/cases

そのためにUKはウイルスのホットスポットという嬉しくない称号で呼ばれているようです。ちなみにこの場合ホットスポットとは「その場所にだけ周囲に比べると何かが多く集まっていること」を意味します。

では何故こんなに感染者数が多いにも関わらず、人が大勢集まるところで入場制限もせず、マスクも強制せず、ソーシャルディスタンスも過去の言葉になりつつあるのかな、と不思議に思って調べたところ、一つの記事を見つけました。同じBBC内にありました。

Covid: The UK is Europe’s virus hotspot – does it matter?

その記事には以下のことが書かれてありました。


UK、と言うよりイングランドはヨーロッパのどの国よりも先にロックダウンを全面解除した。次がデンマーク、でも8月末。他の国はつい最近解除したばかり。しかも解除した後もほとんどの国はサッカー場など人が多く集まるところでは制限を設けている。例えばスペインではソーシャルディスタンスが存在し、学校では6歳以上の子供はマスク着用を義務付けている。

イングランドのようにそれらの制限を全て解いて人が多く集まれば感染者が増えるのは当然。それに加えて、UKはワクチンの先取国だったが、16歳以下の接種は最近始まったばかりでヨーロッパの他の国に追い抜かれている。

では、それならなぜ他の国みたいに再び制限を設けないのかというと、制限を設けたらまた景気が逆戻りし、経済的損失が多くなるなどマイナス面も出てくる。それにコロナによる死者は例年のインフルエンザによる死者数とほぼ同数まで減少。さらに若者の感染はもう(多分)ピークを迎えたので、今後はワクチン接種も拡大するため減少するはず。また若者から高齢者に移す恐れもあったが数字から見るとその現象は起きていない。従って、このExit Wave(ロックダウンを解除したために起こる波)を冬が始まる前に起こるようにしたのは正しかった。

ただ、Covidは抑制できたとしてもこれからはインフルエンザの流行する季節。重症患者が増えた場合、イギリスはヨーロッパの他の国に比べて病床が極端に不足しているし、人手も足りない。これが政府の取った対策の懸念点、つまり大きなリスクの一つになっている。

すでに昨年はロックダウンでインフルエンザが蔓延しなかった故に、免疫ができていないためインフルエンザにかかりやすくなっている。また5歳以下の子供はRSVと言うウイルスによるインフルエンザにかかり毎冬3万人近くが入院しているが、その冬が始まろうとしている。


何故感染者数が増えているのに規制を設けないかの理由を調べて読み始め、理由はわかったものの、なんとも読者を不安にさせるような記事でした。

それにイギリスはガスの貯蔵量もヨーロッパの他の国に比べると極端に少ないことが最近のガス高騰問題を調べていた時にわかりましたが、ガスだけではなく、病院のベッド数も少なかったのですね。

こちらも他の国との比較表をダウンロードしました。最初のグラフが1000人あたりの病院のベッド数になります。日本は多いです。次の棒グラフは集中治療室の割合になります。

光熱費の大幅値上げで、セントラルヒーティングをなるべく使わないようにして節約しないといけない一方、インフルエンザにかからないように気をつけないといけないと言う一見矛盾した状況。でも昔から寒さだけでは風邪にはかからないと言いますので、外出から戻ったら石鹸で手をよく洗い、乾燥を避け、ひたすらウイルスと戦うしかないのかもしれません。

作成日:10月13日

参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/health-58849024https://www.bbc.co.uk/news/business-58894904

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