機械翻訳に「詩」を訳してもらった結果

少し前のBBCに「あなたの悩みを詳しく聞かせてください、あなたに合った『詩』を見つけます」と言う見出しの記事がありました(https://www.bbc.co.uk/news/uk-59003779、5番目の記事になります)。この自らを薬剤師と名乗る人はWilliam Sieghart氏で、3分間弱の動画ではPoetry Pharmacy(詩を調剤する薬局)について説明していました。主に地元の図書館で講演をしていますが、各地に出向いて出張講演も行っています。

薬を服用するのではなく詩を読むことで癒され、彼に心の病を治してもらった人が大勢いるようです。

その中で印象に残る詩を彼が朗読していたのでご紹介します。作者はイラン人のHafiz氏で、この詩が誕生したのは600年以上前になります。

I wish I could show you, when you are lonely or in darkness, the astonishing light of your own being.

by Hafiz

Sieghart氏はこの詩を鏡の前に貼って毎日見るといいよ、と勧めていました。

直訳すると、「あなたが寂しい時、あるいは暗闇の中にいる時、あなた自身が放っている驚くべき光をあなたに見せてあげたい」。でも私の訳だと「あなた」が多過ぎですね。もっといい訳がないかな?と思い機械翻訳にかけてみることにしました。

まずはGoogle 翻訳

"寂しい時や暗闇の時、自分の存在の驚異的な光をお見せできればと思います。"

Googleさん、なかなか丁寧に訳していました。なので思わず「さん」付け。

次にDeepLによる翻訳

"孤独な時、暗闇の中にいる時に、自分の存在の驚くべき光を見せてあげたい。"

なかなか簡潔にまとまっていました。そこで今回の英語から日本語訳はDeepLに一票。

次に日本語から英語に訳してもらうことにしました。選んだのはサトウハチロー氏の詩、「母という字を書いてごらんなさい」

母という字を書いてごらんなさい

やさしいように見えて むずかしい字です

恰好のとれない字です

やせすぎたり 太りすぎたり ゆがんだり

泣きくずれたり……笑ってしまったり

お母さんにはないしょですが ほんとうです

By サトウハチロー

まずはGoogle翻訳

Write the word mother
Looks kind and she has a difficult character
It ’s an unfashionable character.
Too thin, overweight, distorted
I'm crying … I'm laughing
I don't think she's a mom, but she's true

母という字がいつの間にか「彼女」になっていました。そしてその彼女は気難しい性格の持ち主に!「character」が「漢字」ではなく「性格」と訳されています。そして泣いたり笑ったりしているのは「私」になっていました。またお母さんにはないしょ、のところが、「彼女はお母さんではないよ」になっていて「ないしょ」がうまく訳されていないようです。そこで漢字の「内緒」に置き換えてからもう一度訳してもらったところ、今度はうまく「It ’s a secret to my mom, but it ’s true.」と訳してくれました。

次にDeepL

Try to write the word "mother".
It looks so easy, but it's so hard to write
It's an awkward letter
Too thin, too fat, too distorted
It can make you cry or laugh ……
Don't tell your mother, but it's true

最初の4行はお見事!と拍手をしたくなるほどいい訳。「mother」も二重引用符(”)で囲まれています。ただやはりDeepLでも「泣きくずれたり…笑ってしまったり」の部分は「母と言う文字はあなたを泣かせたり笑わせたりする」となっていて、泣くのは文字でも母でもなく「あなた」になっています。

最後の「お母さんにないしょですが本当です」の部分は、「あなたのお母さんには言わないで、でも本当だから」と言う意味に訳されていて、とても良い表現。この場合の「お母さん」は最初は「母という字を書いてごらん」と提案した本人(サトウハチロー氏)のお母さんのことかと思いましたが、この詩を読んでいる人のお母さんかもしれないですね。つまりお母さん全員。

詩ではよく主語が省かれているので、翻訳をするのはとても難しいですが、それにもかかわらずDeepLで訳すとかなり詩的な訳。少しだけ直せば立派な英訳ができそうで、やはり日本語から英語訳もDeepLに一票。

ただ機械翻訳に任せっきりだと今回のようにまったく違う意味になっていたりするので、機械翻訳にかけた後は確認が必要だということを再認識しました。

Photo by jules a. on Unsplash

作成日:10月28日

参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/uk-59003779https://en.wikipedia.org/wiki/William_Siegharthttps://kazahanamirai.com/hahatoiujiwo.htmlhttps://www.deepl.com/en/translatorhttps://translate.google.com/?hl=ja

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