ロンドン タワーブリッジ、開いたままで12時間
テームズ川にかかる橋の中では最も観光客に人気があるタワーブリッジ、船が通るときは橋が開くことでも有名です。最も美しい橋はアルバート ブリッジと言う説もありますが、タワーブリッジの方が美しいような?
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さて、いつものように船が通過するため橋が開いたのは月曜日の14時30分頃。ところが船が通った後に閉まるはずが閉まらず、橋周辺は大渋滞となりました。すぐに修復を試みようとしましたがなかなか直すことができず、無事に閉まった(降りた)のは夜中の2時前だったそうです。
つい最近同じように閉まらなくなったのは去年の8月で、その時は1時間後に復旧したそうです。
この橋の開閉にどのくらいの時間がかかるのかと調べたところ、普段は3−5分しかかからないようです。橋が開くのに1分、閉まるのに1分、プラス船が通過する時間。15分ぐらいかかるのかと思っていました。また年に800回ほど開くとのことで、多い日は1日に何度もその光景が見られますが、少ない冬場などは何日も開かない日もあるようです。
橋ができたのは1886年に着工してから8年後の1894年で、その最初の年は6,194回開いたとか。しかも24時間監視していて、船が近づくとゲートを閉め、橋の道路に車が一台もいなくなると開けていたそうです。
1つ怖い話があり、1952年12月には、2階建てバスが橋を通行中にもかかわらず開き始めてしまったそうです。通常はまずゲート係担当者が道路を通行止めにし、誰もいないことを確認した監視係が機械係に伝えてから開けるようにしていたのですが、監視係が代理人(Relief watchman)で、うまく伝わらなかったとか。プロ意識に欠けていた?
そのバスの運転手さんは瞬時に判断し、アクセルを思いっきり踏み込んで90センチのギャップを走り抜け、まだ動き始めていなかったため1.8m低くなっていた反対側の橋に無事着地でき、怪我人も出ませんでした。運転手のアルバートグンター氏はその勇気を讃えられ、£10(現在の価値では£290=約45,000円)が市から授与されたそうです。なんだか少ない気がしませんか?
1971年にはルールが改訂されて、少なくとも24時間前からの書面による予約が必要になりました。
また当初は燃料が石炭でしたが、1960年の後半には開閉の頻度が年に6,000回から数千回に落ちたため費用対効果が悪くなってきたこと、環境にもよくないことから電気に変えることになりました。工事は1974年から始まり、その2年後には完成しましたが、工事の間も蒸気の力で開閉を続けていたため、橋は一度も閉まることがなかったそうです。
気になる料金ですが、橋を開けてもらうためにかかる料金は1894年以来変更なく完全に無料。Bridge House Estateと言うロンドンの橋を守るチャリティー団体によってメンテナンスされているそうです。
ツアーに参加することもできて、橋が開く時間に合わせて予約すれば橋の上の部分にある透き通る歩道橋から橋が開くのを見られるほか、機械室にも入れるそうです。なおこちらは有料になります。大人約1,600円、子供は半額。詳細はこちら(https://www.towerbridge.org.uk/plan-your-visit)から。
月曜日に開いたまま閉じなくなった時も見学者がいたのでしょうか?
なお、タワーブリッジだけが唯一開いたり閉まったりできる橋とのことで、その手前はどうなるのかと思ったら、背の高い(脚が長い?)Queen Elizabeth II Bridgeが一本だけありました。高速道路の一部で高下駄を履いているみたいなデザインなので、これなら背の高い船でも通れそうです。またタワーブリッジの手前には橋が一本しかないので、反対岸に行く時は大きく迂回するのかと思っていたらトンネルが数ヶ所に設置されていました。歩行者専用のトンネルもあるようです。ケーブルカーもあり、チケットは事前に購入しなくてもオイスターカード(日本のSuicaやPasmoのようなカード)やコンタクトレスカードで利用できるそうです。
トリップアドバイザーによるとタワーブリッジが人気投票 1位。4位のロンドン橋、名前は立派ですが、普通の橋?
作成日:8月10日 参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-58149716
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