イギリスの抹茶世代の若者たち

2日前のBBCに「コスタなどのコーヒーチェーン店が抹茶世代(の客層)を失ってしまった理由」という記事がありました。

抹茶世代と聞くと抹茶をたしなむ祖父母の姿を思い浮かべる人は今や少数派。抹茶世代=Z世代、つまり1990年代後半から2010年代生まれの若者を指すことが多いそうです。ちなみに抹茶世代はあくまでもライフスタイルのトレンド名であり、人口統計学的な世代分類(Z世代、その後のアルファ世代、古くは団塊の世代)とは違うそうです。他にバブル、氷河期、沈黙の世代などがあるようですが、今日は抹茶の話なので、いつかまたということで。

さてその老舗コーヒーチェーンのコスタがなぜ抹茶世代の客層を無くし、営業不振に陥ってしまったかというと、今やイギリスもかなりの抹茶ブーム。MatchaはSukiyakiやTofuと並んで、英語として君臨?しています。今や豆腐は近所のスーパーでも入手可能で「Tofu」と表示されています。それをBean(豆)curd(固められたもの)と表示しているところはもう無いでしょう。

また話が逸れそうになりましたが、抹茶世代を無くした老舗コスタは1971年にロンドンで創業、その後順調に発展し、50カ国に4000店以上の店舗を持つ大コーヒーチェーンだったのです。ところが2023会計年度では12億ポンドの収益があったものの商品、エネルギー、賃金の上昇を含むインフレ、そしてこの若者世代の客離れにより1400万ポンドの営業損失を計上したそうです。つまり赤字。その主な理由の一つがコスタでは抹茶を一切取り扱っていないからとか。

Costaとは違い最近大幅に売り上げ売上高を伸ばしているのが、2020年にニューヨークのブルックリンにあるカフェレストランの庭で小さな屋台でコーヒーを売り始めた、ブランク・ストリートというコーヒーチェーン。ニューヨーク、ワシントン、ボストンに拡大し、2022年にはロンドンにも進出してきました。まだ店舗の数はコスタには程遠いのですが、メニューにはカラフルなドリンクがたくさん並んでいます。ブルーベリー抹茶、抹茶ラテ、ホワイトチョコレート抹茶などもありました。このカラフルさが大事で、日本でもインスタ映えという表現があるように、イギリスでもTikTokなどの動画配信サイトを通して瞬く間に人気を得ているようです。

何故コーヒー店で抹茶を提供するのか気になったのでChatGPTに質問したところ、2000年代以降にグリーンティー(緑茶)が健康に良いというイメージが急速に定着、特に抹茶は粉末なので抗菌化作用のあるカテキンなどを丸ごと撮れることで注目され、これをきっかけにコーヒーに代わる「ヘルシーでナチュラルなカフェイン源」として広まったのだそうです。

そして2001年ごろに日本のスターバックスで抹茶ラテを販売開始。これが大ヒットして海外展開。他のコーヒーチェーンも真似し始めてますます発展しました。その影にはやはり健康志向の他にグリーンが写真映えするということがあり、飲み物だけでなく抹茶ケーキ、プリン、ドーナッツ、アイスなども海外で気軽に手に入るようになりました。

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抹茶もコーヒーもカフェインが含まれているのでどっちを飲んでも効果は同じでしょう?と思ったところ、抹茶の方がコーヒーに勝るそうです。というのは抹茶の方がカフェイン効果が長く持続するということもありますが、THE TEA MAKERS OF LONDONというお茶屋さんのサイトにはコーヒーから抹茶に切り替える7つの理由が載っていました。

  1. 抗酸化物質が豊富で体を守る
  2. エネルギーを安定してキープできる
  3. 気持ちを落ち着けて集中力を高める
  4. コーヒーほど依存性がない
  5. 歯に優しく黄ばみにくい
  6. 脂肪燃焼を助けてダイエットをサポート
  7. お湯やミルクで手軽に作れる

7番目に関しては、コーヒーもインスタントコーヒーがあるでしょうと言いたくなりますが、そこは触れないでおきます。またお茶屋さんなので半分は宣伝かもしれないです。でも読んでいると抹茶に切り替えたくなってきました。

抹茶も好きだけどコーヒーがやっぱり飲みたい、という人には抹茶とコーヒーを混ぜて飲むレシピもネットにたくさん載っていました。

日本語ではUCCのサイトにもあって、淹れたてのコーヒー140mlに抹茶小さじ1/2、砂糖小さじ2というシンプルなレシピでした。アイスコーヒー抹茶バージョンもあります。ちなみに英語ではこの不思議な飲み物を抹茶エスプレッソフュージョン、あるいはダーティー(汚い)抹茶ラテと呼ぶようです。すごいネーミング、でも確かに混ぜたら色は綺麗ではなさそうです。

早速UCCのレシピ通りに今朝コーヒーと抹茶を混ぜて飲んでみました。最初は抹茶は抹茶の味を主張していた感じがありましたが、飲み進んでいるうちにまろやかにミックスされて意外に美味しかったです。

下の写真は昔ながらの抹茶のイメージ

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そしてこちらは現代の抹茶のイメージ。コーヒーバリスタが抹茶を点てる様子と抹茶ラテとアイス抹茶ラテ。最後は抹茶ラテととてもカラフルなドリンク類。やはりインスタ映えしそうです。

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作成日:2025年9月1日

参考先記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/articles/c3dpjvy5em1oTHE TEA MAKERS OF LONDON

アイキャッチ画像:by ChatGPT

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コメント
  • 1:名前:Motoko : 2025/09/02(火)

    この間Independentにも緑茶はアルツハイマーのリスクを軽減するという記事が載りましたね。さらに抹茶ブームが広がりそう。でもそこに、味はgrossだけど蜂蜜を足せとか、オレンジを絞るといいとかいうコメントが沢山付いていて、君たち(イギリス人)はまだ本当の緑茶の美味しさを知らない、と思っちゃいました。

  • 2:名前:Nobuko : 2025/09/02(火)

    緑茶にオレンジとは!でも同じ記事にストロベリー抹茶ラテの話も載っていました。千利休が聞いたら卒倒しかねないですね。

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