イギリスの最新コロナ事情

イギリスはいち早くマスク着用義務を無くし、一年以上前から「もうコロナは終わったの」状態でした。ところが最近になってまた知人・友人からコロナに感染した知らせが次々と届くようになり、いずれも「ひどい風邪」の症状。そんな中、2日前のBBCニュースでも新型コロナに関する記事が載っていました。

入院患者のコロナ感染率は上昇し、Googleでの検索頻度はここ1か月で倍増し、新型が出回ってきたためブースター接種は予定より前倒しで開始したとありました。

そこにはパンデミック中に一度もコロナに罹らなかったから、きっと自分には自然免疫力があると思っていたのに、今になって罹ってしまったというマジョリーさんの事も書いてありました。

お孫さんから感染したらしく、症状がまったく同じ(頭痛、筋肉痛、嗅覚・味覚の喪失)で脱力感と無気力感がすごかったそうです。

ただ、今秋どれだけの人が彼女のようにコロナに罹ったかを調べるのは不可能になりました。以前はドライブスルーで検査を受けられる場所が全国にありましたが、とっくに閉鎖されています。無料で取り寄せることができた簡易テストキットもほとんどの家庭ではもう干からびて使えない状態。国の統計局が無作為に選んだ人にテストを受けてもらって結果を公表していたのも今年の3月で取りやめています。

唯一記録されるのが入院患者でコロナに感染している数。それが今年の9月になってじわじわと上がり始めたのだそうです。

どの程度感染しやすいか、どの程度発病しやすいかは遺伝、年齢、ライフスタイル、生活環境などさまざまな要因があるので、一概にはいえないようです。また今年の科学雑誌『ネイチャー』に掲載された研究によると、人口の約10%が、喉の痛み、咳、発熱といった症状が出る前にウイルスを識別し、排除することのできる遺伝子を持っているそうです。

集団免疫についても、イギリスに住んでいる12歳以上の93%の人が少なくとも1回はワクチン接種をし、82%の人が2022年の11月までに少なくとも1回はコロナに感染しているとも書いてありました。

この免疫ですが、麻疹やポリオのように子供の時に予防接種を受けると生涯にわたって免疫力が維持されるのとは違い、誰でも数ヶ月しか持続しないといわれていますが、重症化の予防効果はあるともいわれています。そこでやはり機会があればワクチンは受けたほうが良いようです。

では「なぜ去年は50歳以上が無料で受けられたワクチンが今年からは65歳になってしまったのでしょうか」という疑問に対する答えも載っていました。

それは「若い人がコロナに罹って発病したとしてもひどい風邪やインフルエンザの症状であることが多く、数日で治る場合がほとんど。そのために国の予算を削るよりももっと他の病気に予算を組むべき」だそうです。

以前から言われていましたが、コロナも他のインフルエンザと同等に取り扱われるようになりました。罹ってしまったら重症化しそうな人たちだけ国は守ってくれるようです。その他の人たちは実際に罹って免疫つけてね、ということ。ただしどんなに健康で若い人でも実際に罹ってロングコビッド(新型コロナ後遺症)が出てしまう人もいるので、油断はできませんが。

最後の方に3回罹ったサムという女性の記事が載っていました。「最初に罹った時は本当にひどかった。2回目の時はインフルエンザに罹ったような感じだった。そして3回目に罹った時はもうあまり考えもしなかった。ちょっとひどい風邪で鼻や喉が詰まった感じだった」と。

今後はコロナと共存、ということですね。ただほとんどの人たちはパンデミックの時は外出先から戻ったら15秒以上石鹸で手を洗っていたのに、最近はちょこちょこと水だけで洗ったり、何もせずに食べ物をつまんだりしているのではないでしょうか。感染して免疫を付けたい人はそれでもいいですが、やはり他のインフルエンザと同様に手洗いを徹底し、感染しないよう気をつけたいものです。

Photo by Maria Lin Kim on Unsplash

作成日:9月26日

参考先記事URL;https://www.bbc.co.uk/news/health-66848549

アイキャッチ画像:Photo by Spencer Davis on Unsplash

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