中期財政計画を発表したイギリス

今日ジェレミー ハント財務相は中期財政計画(Autumn Statement)を発表しました。トラス元首相が失脚する原因となった減税対策てんこ盛りの9月のミニ予算の内容とは打って変わって、今後はしっかり税金を徴収する内容となっています。例えば税金免除額が2028年までは現状維持になるので、低所得層の人たちはせっかく収入が£12,570(約208万円)以上に増えても超えた分には20%の税金がかかってしまうことになります。また高額所得層の人たちは£150,000(約2,500万円)以上から45%の所得税がかかるようになっていましたが、今後は£125,140(約2,000万円)以上からになります。今までは£50,271(約830万円)を超えると£150,000までは40%でした。他にも電気自動車は道路税がゼロだったのが2025年からは道路税を支払うようになります。このようにあちらこちらで税金がかかるようになってしまいました。

夏の選挙活動中に「私が首相になった暁には税金を減らしますからね」というトラスさんを信じて票を入れた人たちは今日の財政計画を知って唖然としているかもしれないです。

ハント氏が国会で発表している中継をしばらく聞いていたのですが、その中で教育費を増やすと述べていました。そしてその理由がすべての若者が義務教育を終える段階で日本やドイツ、スイスで得られるようなスキルを身につけて卒業して欲しいからだそうで、技能改革プログラムの実施についてのアドバイザーもすでに任命したとのこと。

以前のブログにも書きましたが、ハント氏は日本に住んでいたこともあり、かなりの日本通。日本の教育システムの良さを世間にアピールしていたのでなんだか嬉しくなりました。日本の若者全員がスキルを身につけて卒業しているかどうかは少し疑問ですが。

前回9月のミニ予算公表後にはあまりの無計画さのため金融市場が混乱状態になり大幅なポンド安になってしまいましたが、今日の財政計画公表後明日から混乱状態にならないことを願っています。

Photo by Jon Tyson on Unsplash

作成日:11月17日

参考記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/business-63635582https://www.bbc.co.uk/news/uk-63599788Hunt pledges £4.6bn more for schools, saying good education is ‘moral mission’

アイキャッチ画像:Photo by Jon Tyson on Unsplash

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