中国とイギリスのコロナ対策
イングランドでは今日から75歳以上と免疫力の弱い人を対象とした4回目のワクチン(あるいは2回目のブースター)接種の受付が始まりました。感染者数が70歳以上も含めた全ての年齢層で増え始めたための対応策で、スプリング(春)ブースターという名称がついていました。
このスプリング ブースターはすでにウェールズとスコットランドでは展開されているそうです。また広い年齢層を対象としたブースターが今秋に予定されているとのことです。
コロナと共存することを選んだイギリスではジャビド保健相は「コロナの症状がある人は常識的な(分別のある)行動を取る」ことを勧めていますが、検査に関しては「個人の判断に任せる」と述べていました。
またスコットランドでは感染者数が増えており、14人に1人が感染していると推測されています。イギリス全体の平均は20人に1人だそうです。それにもかかわらず、マスク着用義務以外の全ての規制は今日から廃止になりました。
感染者が増え続けていても規制を廃止するイギリスとは対照的に、中国と香港ではいまだにゼロコロナ政策を取っています。
中国は今までロックダウンの強化や数々の厳しい規制を強制し、感染者数を減らして来たことを誇りに思い、これが最善策だと世界に言い続けていました。ところが感染率の高いデルタ変異株が出たことによりますます大規模なロックダウンを余儀なくされたことから、ゼロコロナ政策に対する「疑問」が生まれて来ました。さらに感染力の高いオミクロン変異株も出てきて、ますますいつまでゼロコロナを?という声が上がって来ているようです。
中国のロックダウンは言葉通りで外出はコロナのテストを受ける時のみ、食料品の買い出しも禁止で食料品や生活必需品は支給を待つのみだそうです。
イギリスのロックダウンは一番厳しかった2020年3月でも食料品や医療品の買い物は許可されていました。その2ヶ月後にはリクリエーション目的での外出もOKになっています。(参考先:Coronavirus: A history of English lockdown laws)
中国本土では北東の吉林(チーリン)省では数千人の陽性者が出たため、先週から数百万人がロックダウンを余儀なくされています。武漢で発生したパンデミック初期以来、中国が省全体を制限したのは初めてだそうです。まるで2年前に逆戻りしたかのようです。
コロナ患者をゼロにするため数千人の感染者が出た場合は地域ごとロックダウンにする中国と、10万人近い感染者数で、実際の数ははるかに上回ると言われているにも関わらず、ほとんど全ての規制を解除しているイギリス。今朝の記事を読み見事なまでの両極端な対応だと再認識した次第です。
作成日:3月21日
画像:中国吉林省(Photo by Liu Hyory on Unsplash)
参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/uk-60815941、https://www.bbc.co.uk/news/world-asia-china-60762032、https://www.bbc.co.uk/news/health-60795121、
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