アメリカ政府機関を大混乱させているイーロンマスク

土曜日の午後、週末にも関わらずアメリカ政府職員数百万人にマスク氏から「先週の業務実績を5つの箇条書きで報告し、上司をCCに含めて返信すること。返信がない場合は辞職を望んでいるとみなす」というメールが一斉配信されました。

なんで電気自動車の会社テスラーを経営し、X（元ツイッター）のオーナーになり、ロケットを飛ばしているはずの彼が政府の職員にメールを送るの？と思った方のために補足説明しますが、彼はトランプ大統領の選挙の際に多額の資金援助をし、無事当選したため、トランプが彼を「特別政府職員」とし、トランプ政権下で「政府効率化省（DOGE）」の責任者を務めているのだそうです。要するにトランプがマスク氏にコストカットしてね、と頼んだということ。

コストカットをするにあたって民間会社で手っ取り早い方法が従業員を解雇して人件費をカットすることですが、それを政府の全機関でやろうとしているのです。

過去半年、あるいは1年に成し遂げた仕事を箇条書きにして提出、というのは会社ではよくあることで、それによって給料やボーナスの額が上がったり下がったりしますが、過去1週間だけで５個というのはかなり無理があるような気がします。そして提出しないと解雇なんて。

締め切りは今日24日の午後11時59分。今日中です。報道によるとすでに返信している職員がいて、マスク氏は「彼らは昇進の対象者となるべきだ」と述べているとか。

職員の中には週末はメールにアクセスできない人も多数いて、その人たちは今日出勤して初めて知らされるわけで、彼らは多分通常の業務はそっちのけ状態になってしまうかもしれません。

さらに混乱を招いているのが、機関によっては「マスク氏からのメールには返信しないこと」と職員に通達しているそうです。返信しないで解雇されたら誰が責任を取るのでしょう。

そしてトランプ大統領自身はこの混乱状態のメールの件に関してはまだ何もコメントしていないそうです。ただ、マスク氏が一斉メールを送る前に「もっとagressive（攻撃的）になるように」とメッセージを送ったとか。

なんともカオス状態のアメリカ。この混乱状態はこの先もしばらく続きそうです。

ちなみにマスク氏は2月20日に行われた保守政治行動会議ではチェーンソーノコギリを会場に持ってきて振り回したと報道されていました。なんでノコギリ？と思って調べたら、「官僚主義を削減する意思を象徴的に示すため」だそうで。官僚機構を断ち、政府の無駄を削減し、効率化を推進するということを伝えたかったらしいです。

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アメリカ、大丈夫？