ジョンソン首相の次の職業は？

今日は日曜日。明日9月5日の月曜日にはジョンソン首相の後継者が発表され、翌日火曜日には正式に首相退任となります。

首相を辞めた後はどうするのだろうか、と思っていたら「ボリスジョンソンの次の一手：億万長者かカムバックか？」という記事を見つけました。（BBC News : Boris Johnson’s next move: Making millions or a comeback?）

ジョンソン首相、実は着任前はジャーナリストとしてかなりの収入を得ていたそうです。

その前に彼の生い立ちをざっと以下に記載します。

1964年6月19日：生まれたのはニューヨークのマンハッタン市。当時コロンビア大学に在学中のスタンレージョンソン氏とシャーロットフォーセット氏の長男として生まれ、その後家族はイギリスに戻ったり再び米国に住んだりを繰り返し、その間妹と弟も誕生。
1977年〜1987年：奨学金をもらって有名校のイートン、次にはオックスフォード大学へと進んでいます。その頃は怠け者で独りよがりで遅刻の常習犯（子供の頃とは大違い）。
1987年〜2001年：大学卒業後、最初はザタイムス新聞社に入社。そこで偽りの記事を書いて解雇された後はディリーテレブラフ新聞社に入社。彼の書くコラムはいい意味でも悪い意味でも人気があったようです。1994年から1999年は政治のコラムニストとして活躍しています。その後は「スペクティター」と言う雑誌の編集に携わり、同誌の売り上げを伸ばしたそうです。
2001年〜2008年：編集の仕事を続けながらヘンリー地区の議員職。
2008年〜2016年：ロンドン市長
2016年〜2018年：外務大臣
2019年：平社員ならぬ平議員
2019年5月：保守党首選挙に立候補し選挙に勝ち7月24日にエリザベス女王より首相に任命

2016年にはブレグジットの国民投票が行われ、ジョンソン首相も活躍しましたが、今回は省きました。尚、子供の頃の夢は「世界の王者になる（world king）」ことだったと知り、どんなヤンチャな子供時代かと思って調べたところ、大人しくて勉強好き、そして数回手術をするまで難聴だったそうです。そのために友達はほとんどいなくて兄弟といつも一緒だったとか。

さて、ジャーナリスト、および物書きとしての収入ですが、ディリーテレブラフのコラムニスト時代は年収が£275,000 (約4千400万円)、また既に８冊の本を出版していて彼のヒーローであるウインストンチャーチルの伝記はベストセラーにもなったそうです。そして今後自叙伝を書けば£100万（約1億6千万円）以上支払われる可能性があると予測されています。書くだけで1億6千万円、売れれば印税も。

議員時代も執筆を続けていてシェークスピアの伝記は2015年に完成するはずが、外務大臣そして首相になり多忙を極めたため完成させられなかったとか。そしてこの本が書き終わればある出版社からは£50万（約8千万円）が彼の懐に。

また、元首相が高収入を得る方法の一つに「講演会」があります。テレサメイ元首相も2022年だけで9回講演会を開き、£715,000（約1億1千500万円）の収入があったそうです。単純に９で割ると、一回の講演につき£79,000 (約1千300万円）。

ちなみにジョンソン首相は首相になる前の2019年に銀行とインドのメディアグループを対象に2回講演を行い、当時すでに£160,000（約2千500万円）の講演料を稼いでいます。今後「元首相」としての講演料は一体いくらになるのでしょうか。

次にカムバックの可能性ですが、明日後継者が誰になったとしてもジョンソン首相を大臣に任命する可能性は低く、そうなると国会では後方の席に座る平議員になる可能性が高いです。ところが彼の長年のアドバイザーであり首相補佐官を務めたリスター卿は「彼が後方の席で大人しくしているわけがない」とのこと。ではしばらくは政界を離れるのでしょうか。

でも歴代の首相で退任後に再度首相になった人も何名もいます。と言うことはジョンソン首相も数年後にまた戻ってくる可能性も残っています。

記事の最後の方では、ジョンソン首相の伝記の第二巻目を来月出版するギムソン氏が「彼はどちらか一方の選択肢を選ぶ人ではなく、両方を選ぶ人だ。何をするにしても彼はとても忙しくなるだろう、なぜなら彼は何もしないことには耐えられないからだ」と述べていました。保守党の歴史を執筆したベール教授も同意見で、「ジョンソン首相にとって、プラスマイナスがゼロになる『ゼロサムゲーム』はあり得ない。政治活動もカムバックも金儲けも全部できる人です」と述べていました。

と言うことはシェークスピアの本を完成させ、至る所で講演をし、たっぷり儲けた数年後には再度首相としてカムバック？