自転車をよけ続ける毎日
イギリスでは運転中に車道にできた穴(ポットホール)をよけ続ける日々が続いていましたが、日本に来て運転しなくなったのでホッと一息ついていました。でもそれもわずかの間。実家周辺を歩いていると歩道を走る自転車の多さに改めてびっくり。それも後ろからと前から。自転車の位置も左だったり右だったり。
家族と並んで歩いていても、自転車が来るとよけるので、集団登校の児童のように縦に並んで歩く羽目になります(ちなみに少子化などで集団登校は減少方向にあるそうです)。
「こんなに自転車が歩道を走っていて、よく事故が起きないな」と思って調べてみたところ、起きていました。
こちらは令和2年のデータなので3年前になりますが、自転車対歩行者事故における衝突地点は「歩道」が43%でダントツ1位でした。次が「交差点内」。そして次が「被分離道路」(中央線等により道路の中央が定めれていない道路)。同じくらい事故が起こるのが「第一通行帯」(中央線により車両通行帯の設けられている道路の最も左側の通行帯)。
事故の原因で一番多いのが「前方不注意」でした。また年齢別の自転車対歩行者事故では15歳から19歳が一番多いようです。
次に事故の件数を比較した棒グラフも見つけました。令和2年の事故数は2,634件で前年よりも減ってはいますが、自転車に乗って仕事をしていた人(配達員?)と歩行者による事故は全国で前年と比較した場合は6割増の156件だと記載がありました。
そういえばイギリスでは数年前に「ピザの配達は30分以内、30分を超過した場合はピザ代を無料にします」というピザ屋さんが登場しましたが、あまりに事故が多いので30分の制限は廃止したと聞きました。やはり焦りは禁物。
さて、自転車で歩道を通行している皆さんはルールをご存知でしょうか?国土省のホームページに以下の質問と回答がありました。
質問:自転車は、道路のどこを走ればよいのですか?
回答:
- 自転車は、車道が原則、歩道は例外
- 車道は左側を通行
- 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
ただし、歩道通行できるのは、以下の場合(普通自転車(※)に限る)
①道路標識等で通行することができるとされている場合
②自転車の運転者が高齢者や児童、幼児等の場合
③車道又は交通の状況からみてやむを得ないと認められる場合
次に自転車の9割以上が歩道を走っている実家のある板橋区のルールを調べてみたところ、やはり「車道が原則」と書いてありました。
守ろう!自転車安全利用五則
自転車による交通事故の原因で多いのは利用者の交通違反です。特に安全確認違反が多くなっています。自転車は車両です。自動車と同じように、一時停止箇所では止まって、左右の確認を行いましょう。
自転車に乗るときの基本ルールである「自転車安全利用五則」を守りましょう!
- 車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
- 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
- 夜間はライトを点灯
- 飲酒運転は禁止
- ヘルメットを着用
最近自転車専用レーンも増えてきましたが、それがあるにもかかわらずほとんどの人が歩道を走っています。これらのルールを知っていて自転車に乗っている人はどのくらいいるのかなぁと思ってしまいました。
イギリスでは歩道を自転車で走っている人を見かけることはほとんどありません。小さな子供ぐらいです。また車道を走っている自転車を車が追い越す場合、自転車との間隔を1.5mあけるという法律ができました。詳しくは以前のブログをお読みください。この法律を狭い日本でも守ることになったら自動車が自転車を追い越すのは不可能になり大渋滞が起きそうです。
作成日:5月31日
参考記事URL:内閣府(令和2年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況)、https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_05b_01.html、https://www.city.itabashi.tokyo.jp/bousai/anzen/kotsu/1006518.html
アイキャッチ画像:Photo by Emil Karlsson on Unsplash
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