AIが医者の助手として骨折をいち早く見抜く日も近い?
今朝のBBCで「AIはレントゲンの結果から骨折を見つける医者を助けるようになる」というタイトルの記事を見つけました。
英国国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Care Excellence: NICE)によると、AIは医者がレントゲン写真を分析する際に見逃している骨折の数を減らす可能性があり、この技術は安全であるとしています。
実際に骨折は3〜10%の症例で見逃されていて、救急外来でも最も多い診断ミスだと書いてありました。
AIによって放射線技師と放射線診断医の職が奪われてしまうのではないかと思いましたが、現状では不足していて、その為に彼らは膨大な仕事量を抱えているそうです。それぞれ15%と12.5%の欠員で、今後導入されれば、人手不足を助けることにもなります。またこれはAIが単独で診断するのではなく、AIの診断後、医療専門家が必ずチェックすると書いてありました。
実は私の母も転倒した時に足の指を怪我してしまい、救急外来でレントゲン撮影をしたのですが、その時は「骨折はしていない、捻挫だ」と診断され処置されました。その後いつまで経っても痛みが取れないので近所の専門医に診てもらったところ、骨折をしていたことがわかりました。その時も「(見落としは)よくあることです」と言われたそうです。よくあっては困るのですが。
AIが医療現場で活躍するのはレントゲンの診断だけではなく、既に乳がんの最初の兆候を検出することに使われていて助かった患者さんの記事もありました。また心臓発作を起こすリスクのある患者さんを検出することにも使われていました。なんと人間の目では見ることが不可能な生物学的プロセスがAIにはわかるそうです。具体的には、放置しておくといずれ狭くなってしまう、あるいは閉じられてしまうことになり、その結果心臓発作を起こす心臓内の血管(冠動脈)の炎症を検出することが可能とのこと。そしてこれは同じレントゲンとCTスキャンを人間が見ても判断できないことだそうです。
このような炎症がある場合、10年以内に心臓発作で死亡するリスクが20倍から30倍高いことがわかり、AI導入後、これらの患者さんの45%が将来の心臓発作予防のために薬を処方されたり生活習慣の改善をしていました。既にAIによって助かった患者さんがたくさんいるのですね。
「AIが人類を滅ぼす」とか、「AIによって職を失ってしまう恐れがある」とかネガティブなニュースが多いですが、このように人々の役に立って活躍しているAIが今後も増えるのは嬉しいニュースです。
作成日:2024年10月22日
参考先記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/articles/c2060gy9zy1o、https://www.bbc.co.uk/news/articles/c51ylvl8rrlo
アイキャッチ画像:Photo by Cara Shelton on Unsplash
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