子供にとって世界で一番最適な国は?

今朝「海外駐在員家族が気にいる5つの国」という見出しの記事を見つけました。その記事を読んでいくと、駐在員に限らなくても役立つ情報でしたのでご紹介します。

子供たちに与える外的環境、教育システム、安全性、健康状態、育児休暇制度などあらゆる角度から調査した結果がまとめられていましたが、5つの国で一番最初に紹介されたのは日本でした。

2020年のユニセフからの報告によると5歳から14歳までの子供の健康状態は1位。こちらは死亡率、肥満率なども比較した結果でした。

学校、交通、緑地など「子供を取り巻く環境」に関しては2位。子供に影響を与える大気汚染や水質汚染のレベルもかなり低いことがわかりました。

そして日本は安全な国。交通事故に巻き込まれる割合のみではなく、例として殺人に巻き込まれる割合は10万人に対して0.2人。アメリカは5.3人、カナダは1.8人、オーストラリアは0.8人でした。

安全な国を象徴しているのが、小学生でも電車やバスに1人で乗って通学をしている子供達をよく見かけること。イギリスではまずありえない光景です。私の息子達の小学校は歩いて5分のところにありましたが、子供達だけの集団登校はなく、それぞれの親(あるいは祖父母、友達の親など)が必ず送り迎えをしていました。今でも同じで、そのため学校の開始・終了時間には交通渋滞もよく起こります。

教育システムもトップレベル。育児休暇制度も充実していて約12か月取得することができます。

次に紹介されていたのが北欧のエストニアでした。面積は九州の1.23倍、人口は約133万人の小さな国です。ユニセフの調査では「トップを占めていたわけではないが、大事なポイントがある」と紹介されていました。その中の1つが子供達がさらされる大気汚染、騒音公害、農薬の量が他の国に比べて少ないこと。他には都市部の緑地が多いこと、子供達は遊び場など近所のリクリエーション施設をよく利用し楽しんでいること、教育システムが優れていて、アジア以外のどの国よりも優れた算数、科学、読み書きの能力があることだそうです。

産休制度も充実していて母親の産休は100日、父親は30日、その後475日の育児休暇を子供が3歳になるまでに交代あるいは60日までは同時に取ることができます。そして子供が14歳になるまでは年に14日までの育児休暇(有給)が取れます。

次はスペイン。空気や水がきれいなので子供達が病気にかかる率が極めて低いそうです。公共、教育、医療サービスなど全体的な環境は劣るものの、子供たちの幸福度は極めて高く、心の豊かさでは3位、基礎学力と社会性では4位でした。「簡単に友達を作ることができる」と答えた子供の割合はオランダと同程度の81%だそうです。思春期の自殺率は最も低く、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの3分の1であるとも書かれてありました。

育児休暇はそれぞれ16週取ることができ、フリーランスも有給の育児休暇が取れるそうです。

4番目はフィンランド。全体では5位でしたが、大気汚染など直接子供に与える影響を調査するカテゴリーでは1位。学校、交通、緑地など「子供を取り巻く環境」では2位でした。

識字率、算数のレベルも高く、また子供の死亡率は最も低い国の1つで、アメリカの半分以下とありました。

育児休暇は母親が8週間、その後はどちらかの親が14か月取ることができます。また首都ヘルシンキでも緑地が多く、一人当たりの都市緑地面積が最も多い国。それに公園が自然に囲まれているのでメンタルにも良い環境とのこと。

Photo by Vivian K on Unsplash

最後はオランダ。子供のメンタルヘルスを調査するカテゴリーでは1位。子供のスキルに関しては3位。15歳児の10人中9人が生活に満足していると答え、最も高い割合でした。また前述のスペインと同様10人中8人が簡単に友達を作ることができると答えたそうです。

Photo by Callum Parker on Unsplash

日本の子供たちはどうかと資料を見たところ、生活に満足していると答えた15歳児は10人中6.2人で下から2番目(最下位はトルコの5.3人)、簡単に友達を作ることができると答えたのは6.9人とあったので、意外と高い率かと思ったら、こちらも下から2番目でした(最下位はチリの6.8人)。

友達を簡単に作ることができるのはラテン系の国の子供たちかと思ったのですが、1位はルーマニア、その後はノルウエイ、クロアチアと続いていました。

今回の調査の対象国はOECD加盟国、EU加盟国など41か国のみで、データが少ない場合は除外された国もありました。

From: unicef Worlds of Influence Understanding What Shapes Child Well-being in Rich Countries

一番先に紹介された日本は健康状態は1位でしたが、メンタル ウエル ビーイング(心の豊かさ)では37位、スキルはなんと(たったの)27位。この調査では読解力や算数の能力といった学力の他に友達を作りやすいという社会的能力にも焦点を当てたと書いてあったので、そこで下がってしまったのでしょうか。そんな残念な面もわかりましたが、この記事は日本について好意的な内容が書かれていたので、日本への駐在、あるいは移住を望む人が増えそうです。

作成日:2月8日

参考記事URL:https://www.bbc.com/travel/article/20230207-the-five-countries-expat-families-loveWorlds of Influence Understanding What Shapes Child Well-being in Rich CountriesPlaces and Spaces Environments and children’s well-being

アイキャッチ画像:Photo by Markus Spiske on Unsplash

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