ホームズ・フォー・ウクライナ制度のその後

約5ヶ月前の3月14日にホームズ・フォー・ウクライナ制度が導入され、オンラインでの申請が可能になった5時間以内に約43,800件の応募があったと過去のブログで紹介しました(→過去のブログ)。この制度についてはこちらのブログに詳しく書きましたが、「ウクライナからの難民を受け入れる家庭を政府が募集。応募資格は余っている部屋を最低半年間提供できれば誰でも応募可能。応募後は簡単な書類審査、自治体による訪問などがあり、問題無い場合は、ホストとして月に53,000円の補助金が出る」というものです。

その後5ヶ月が経ち、この制度を利用して現在約75,000人のウクライナからの難民がイギリスに住んでいるそうです。

もうすぐ最低期間の6ヶ月が過ぎますが、ONS(イギリス国家統計局)の調査によると約4分の1の家庭が6ヶ月で終わりにしたいと望んでいることがわかりました。

その6ヶ月で終わらせたいと希望しているホストファミリーのうち、約4分の1の家庭は「光熱費や物価の上昇による金銭的な問題」が理由と答えていました。補助金の額を上げてくれたら延長を考慮する、というホストファミリーもいるようです。

「住まいを提供するだけで金銭の補助や食事は提供しなくてもいい」と言うルールだそうですが、8割のホストファミリーは食事を無料で提供し、3分の2は仕事を探す手伝いをし、半数近くの45%が金銭の援助もしていることがわかりました。難民の中には仕事も見つかり、食費を負担できている人もいます。

今回の調査では18%のホストファミリーがまだゲスト待ちの状態だと言うこともわかりました。

さて、この制度に関して他の記事も読んでみたところ、残念ながら半年を待たずに終わってしまったケースもありました。

あるご夫婦は若い男性を受け入れたのですが、「いくら話しかけても、お小遣いをあげるなどしても、馴染んでくれなかった。それに彼は給付金を申請することも、他のウクライナからの難民と連絡を取ることもしなかった」と話していました。この若い男性はメンタル的にも病んでいて、両者ともかなり苦労したようです。現在彼は無料の公営住宅に住んでいるとのことでした。

なお以下のようにホストファミリー側に問題がある場合も多々あるようです。

若い女性がホストファミリーを変えたいとあるボランティア団体に連絡をしたので、理由を聞いたところ、ホストの家のビデオを撮って送ってくれたそうですが、とにかく「ゴミ屋敷状態」。この家では犬も飼えないだろうと担当者が話していました。 (注:イギリスでは保護された犬を引き取る時、あるいは血統書付の犬を飼うときにホームチェックが行われます)

別な女性は「2人の子供たちと自分用には2部屋用意してあると写真付きで紹介されたので、そのホストに決めたところ、実際はキッチンのすぐ隣にある狭い一室でプライバシーもなかった。おまけにその家にはナチスの写真やソ連関係グッズがあって、恐怖でしかなかった」と。これは訪問チェックや子供を受け入れる際には必須のはずの 犯罪履歴などを調べるDBSというチェックが行われていなかったケースでした。

また40過ぎの1人暮らしの男性が20代、30代の女性を募集するケースも多く、その中には家庭内暴力や窃盗歴があった人などが含まれていたり、調べてみるとワンルームだけのアパートだったと言うのもあったそうです。

ある親子は日中は外で過ごすように言われたり、別な若い女性はドアの無い部屋を提供されたり、寒い日に暖房を点けようとしたら怒鳴られた女性も。

調査した関係者によると、どう考えても政府からの補助金目当てのホストファミリーもいたとか。残念です。

半年後にホストファミリーから切られてしまう難民は今後どうなるのか、など問題が山積みですが、関係が良好なケースも多々あり、1年間まではホストを続けると答えた家庭(38%)、1年以上先もホストを続けると答えた家庭(23%)もありました。

Screenshot from: https://www.bbc.co.uk/news/uk-62493852

イギリスは「光熱費がさらに上がり各家庭の負担が増える」「物価の上昇」「イングランド中央銀行が利率を上げたため長期のリセッション(景気後退)の警告が出される」など依然として不安定な状態が続いていますが、そんな中でもこのホームズ・フォー・ウクライナ制度で1人でも多くの難民が安全な生活を送ることができますように。

ウクライナの国花 ひまわり:Photo by Roma Kaiuk🇺🇦 on Unsplash

尚、我が家は息子たちが独立したので空いている部屋はあるのですが、難民を受け入れる決心が付かずにおります(多分これからも…)。たとえ半年持たなくても難民を受け入れた人達を心から尊敬しています。

作成日:8月14日

参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/uk-61311046https://www.bbc.co.uk/news/uk-62493852PolicitsHome Is Britain’s Homes for Ukraine scheme working?

アイキャッチ画像:キーウの夜景(Photo by Eugene on Unsplash

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