日常に戻りつつあるイギリス

世界中に放映されたので、テレビ中継を観た人がたくさんいらっしゃると思いますが、バンクホリデー(休日)の昨日、女王様の国葬が無事終わりました。

ウエストミンスター寺院は10時にテレビをつけた時には既にほとんどの参列者の方が着席されていました。憶測ですが、2000人に及ぶ入場者にも細かく順番が振り当てられたのではないかと思います。早めに着席した方達は何時間もあの寺院の硬い椅子に座ることになるので大変だろうな、と思ってしまいました。

天皇皇后両陛下のお姿をテレビで見つけることはできませんでしたが、後から読んだ記事によるとだいぶ前の方のお席でした。

ご葬儀の前にウエストミンスター ホールから寺院へ棺を運ぶ葬列、国葬、寺院から運び出されハイドパークに行くまでの葬列、ウインザー城内にある聖ジョージ聖堂での埋葬式等、どれも完璧でした。兵隊さんはこの10日間たくさん練習を重ねたのでしょう。

国葬の最後にバグパイプのソロ演奏がありましたが、女王様自らのリクエストだと聞き、悲しみが増しました。その後に女王様は毎朝目覚まし時計の代わりにバグパイプの15分間の演奏で目を覚まされていたと聞きました。3分間ならまだしも15分、しかも毎朝とはびっくり。

国葬は完璧で感動を呼ぶものでしたが、全てが完璧だったかと言うと、前日の日曜日にちょっとしたハプニングも起こっていました。20時から1分間の黙祷がありましたが、その際テレビの画面にはビッグベンの時計が映し出されました。じっと画面を見ていたら20時になっても20時1分になっても音が鳴りませんでした。「やっぱりビッグベンも止めたんだね」と家族と話していたら、実はそうではなく、原因不明だけど鳴らなかったそうです。(参考先URL:National minute`s silence complete

翌日の国葬の後は1分ごとに1回合計96回(女王様の年の数)鳴らすことになっていたのですが、そちらは大丈夫でした。

国葬の前の一般弔問では約25万人が行列(The Queue)し、ウエストミンスター ホールで最後のお別れをしたと報じられていました。中には2回も並んだロンドン在住の男性もインタビューされていました。1回目が終わり自宅に戻って2時間寝てまた行例に参加したそうです。1回目と2回目の違いは?と聞かれたところ、「1回目は行列係の人たちも何をしていいかわからずカオス状態だったけれど、2回目の行列はだいぶスムーズに流れていた。1回目にホールに入った時は足が痛かったけれど、2回目は痛くなかった」と答えていました。

この一般弔問は前回はクィーン マザーが亡くなられた時に行われ、クィーン マザーはとても国民に親しまれていたので、2002年3月30日に101歳で亡くなられた時は約20万人の方が参列したそうです。その前が1965年のサー ウィンストン チャーチル(元首相)で約32万人、1953年のメアリー女王(エリザベス女王の祖母)の12万人、1952年の国王ジョージ6世(エリザベス女王のお父様)の約30万人。

「イギリス人は行列を作るのが得意」と言われるのはこの長い歴史から来ているのかと思いました。

今日からは日常に戻りつつあるイギリス。ただ国葬のために国中で閉鎖された道路のバリケードの撤収など、後片付けにはもうしばらく時間がかかりそうです。

それらが全て片付いた頃には新首相に続いて新国王を迎えたイギリスに住む人たちも、新しい環境に慣れるのでしょうか?

作成日:9月20日

参考先URL:Sky news “Lying in state in pictures: How queues for Queen compare to previous monarchs and prime ministers?”Today.com “The poignant way the queen’s piper, who played for her each morning, laid her to rest”https://www.bbc.co.uk/news/live/uk-62921700

アイキャッチ画像:Photo by Ian Branch on Unsplash

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