
お客様は神様、それとも泥棒?
大手スーパーマーケットのTesco(テスコ)がショッピングカートの重さを測る大きな体重計(?)を導入したという記事を見つけました。そのカートの中には買い物客が自らスキャンした物が入っているのです。
イギリスではスキャナー付きのショッピングカートが置いてあるスーパーマーケットがあります。欲しいものをカートに入れて一番最後にセルフレジ、あるいは店員さんのいるレジに並んで精算するのではなく、店内でカートに物を入れる際にスキャンをしてどんどん入れて、最後にお金だけを払ってパッキングするという流れになります。あるいはあらかじめカートの中にエコバッグなどを入れておき、どんどん詰めていくことも可能です。…と言っても私は一度も試したことがありません。
日本でもスマートカーやレジカートなどと呼ばれて導入しているお店もあるようです。
なぜ巨大体重計にショッピングカートを乗せないといけないかというと、買ったものの重量と精算したものの重量が一致しているかを検査するためのようです。そこで違いが生じた場合は、もう一度従来通り店員さんがスキャンし直すことになります。
以前聞いたことがあるのですが、例えば高価なメロンを買ったにも関わらず、自分で測りの上に乗せた時に「ジャガイモ」として申告し、安いジャガイモの値段しか支払わない人がいるそうです。100gあたりの単価がだいぶ違うのでその分得するというカラクリ?あるいはバラ売りのリンゴを10個カートに入れたのに1個として申告するとか。
この巨大体重計、賛否両論です。反対意見は、「まるで空港のセキュリティチェックみたいだから気に入らない」「なんだか疑われているみたいで気分が悪い」。「小さな子供をカートに乗せている場合、測る時はおろさないといけない」「ショッピングバッグもカートから取り出さないといけなくなってしまった」「結局人件費削減が目的」等。賛成派は「時短になる」。あまり賛成意見は載っていませんでした。
慣れれば便利なのかもしれませんが、最後に測るところが混んでいて行列になったら時短にはならないですね。
ただスーパーマーケットなどでの万引きは増える一方で、英国小売業協会が発表した顧客による窃盗事件は2023年から370万件増え、2,040万件になり、被害額は20億ポンド(約3,800億円)に達したそうです。やはりお客様は泥棒?
また2022年に世界中で行った調査によると、セルフレジでの1つ以上の間違いは43%だったそうです。2人に1人はなんらかの操作ミスをしているということでしょうか。
そこで今回のテスコのように巨大体重計を導入して誤操作をしてしまったお客様を見つけるのも大事?お店側によると、買い物客が間違って同じ物なのに2回もスキャン(と支払い)をしてしまう場合も数多くあるそうです。
なお、今回のテスコのようにレジのスタッフを減らしてどんどんテクノロジーを導入していくスーパーマーケットもある中、北イングランドに30店舗近くあるBooths(ブース)というスーパーマーケットではセルフレジを完全に撤廃、また全国展開しているAsda(アスダ)やMorrisons(モリソンズ)は一旦減らしたレジ(と店員)をまたどんどん増やしているそうです。
この巨大な体重計の導入は顧客確保に貢献するか、顧客離れの要因になるか、数ヶ月後には判明するでしょうか?
作成日:2025年3月10日
参考先記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/articles/c0rzvrjkklko
アイキャッチ画像:Photo by Marjan Blan on Unsplash
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