ルールを作った本人がルールを知らなかった?

昨晩BBCのニュースサイトにアクセスしたところ、自分の目を疑うような見出しが飛び込んできました。そこには「飲み会がルール違反だということを誰も教えてくれなかった ー ジョンソン首相の発言」と書いてあったのです。(https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-60039868

その記事には実際にインタビューを受けているジョンソン首相の映像もありましたので、再生してみたのですが、確かに「Nobody told me that what we were doing was against the rule」と発言していて、それを聞いた夫は大笑いしていました。もう呆れてしまって笑うしかない状態。

この飲み会というのは2020年の5月20日に行われた約100名がEmailで招待され30名ほどが参加したアルコール持ち寄りガーデンパーティーのことです。25分ほど参加した首相は、「あくまでも職務上のイベントだと思っていた。少しだけ参加してみんなの仕事ぶりをねぎらった後に部屋に戻った。」と説明していました。またEmailによる招待状が送信されていたこともつい最近まで知らなかったとのことです。

この数々の発言に対し、ますます批判が増えてしまいましたが、同記事の最後にはBBCの政治記者Damian Grammaticasによる分析が載っていました。

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誰も教えてくれなかった、というのはジョンソン首相にとって一種の防御策かもしれない。でもそんな発言は自分の無知を晒すことになったし、今は後悔している事を(国民に)伝えることで十分だと思っているのだろうか。

彼は責任者であり、パンデミックの間にわたしたちがどのように行動を制限しなければならないかを決めた張本人です。だからこの防御策は新たにみんなからの攻撃の対象になっただけです。

彼は本当にルールを理解していたのでしょうか?それとも誰か他の人に「これは違反だよ」といちいち指摘してもらわなければいけなかった?

100歩譲って、例の飲み会が「職務上のイベント」だったとしても、当時「職務上のイベント」は禁止されていたのです。

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この「誰も教えてくれなかった」発言の後に各政党の代表者からは非難の嵐。でもドミニク ラーブ副首相は「国会議員を欺いたことが判明した場合、首相は通常辞任することが予想されるが、ジョンソン氏は何年も政権にとどまるだろう」と述べていました。他にも首相を今後も支持していくと発言している議員たちがいました。

ただイギリスでも内閣不信任案があり、それは Letter of no confidenceと呼ばれています。昨日までに保守党の議員から7通提出されていましたが、成立するには全議員の15%の54通が必要だそうです。今朝のSkyニュースによると新たに12通が提出されたとのこと。支持者よりも不信を抱いている人の方が多くなりそうです。

果たして副首相の予想通りジョンソン首相はこの先もずっとリーダーでいられるのでしょうか?なんだか雲行きがますます怪しくなってきました。

作成日:1月19日

参考先URL: https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-60039868https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-60047602Sky news

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