感染者数とその数字の裏側に見えるもの

イギリスの新規感染者数はいまだに15万人ぐらいを行き来していて日本に比べるとかなり多いのですが、その主な原因になっているオミクロンについての興味深い記事を見つけました。

その記事には、「感染者数は多いけれど、初期に示唆されたように、この変異株は『少なくとも今のところは』罹っても軽症。」とありました。原文は「But, as early evidence suggested it would, this variant is causing milder illness, for now at least.」。この最後の「for now at least」という言葉が妙に引っかかります。

確かにイングランドのコロナ患者入院者数を去年の同時期と比べてみると5分の1に減っていました。

2021年における入院患者の減少について(https://www.bbc.co.uk/news/health-59862568)

入院患者が減ったのはワクチンあるいは自然感染により国民全体に膨大な量の免疫が構築されていることが要因、そして治療方法も見つかったから、と書いてありました。

ただ感染者数の異常な増加に伴い、入院患者数も増えています。イングランドだけでも2週間前に比べると倍になり14,000名。それでも昨冬のピーク時の34,000名に比べれば減っていますが。

イングランドにおけるコロナによる入院患者数
https://www.bbc.co.uk/news/health-59862568

「しかし、何が起こっているかを十分に理解するためには、目の前の数字だけにとらわれず、裏側も見る必要があります」(原文では「But to fully understand what’s happening you need to look beyond the headline figures.」)と記載がありましたので、その続きも読んでみました。

コロナ感染以外の原因、たとえば盲腸や交通事故で入院した患者さんが陽性だった場合、たとえ無症状でもコロナによる入院患者の数に入ってしまい、コロナによる入院患者が増えたように見えます。その人たちを除外すれば患者数は目の前の数字よりもさらに減ることになります。ーーーというのが数字の裏の事実だそうです。でも無症状であっても怪我や元々の病気の治療に加えて感染予防もしなくてはいけないので、医療従事者の負担は増えているのも数字の裏の裏の事実?

コロナ病棟の入院患者数
https://www.bbc.co.uk/news/health-59862568

もう一つ、入院日数は昨冬よりも短くなっています(がこれもあまり知られていません)。そして重症者患者は増えていないので、まだ医療従事者を逼迫させるような事態にはなっていないと政府の判断。

人工呼吸器を装着している患者数(https://www.bbc.co.uk/news/health-59862568

それでもまだ安心とはいえない状況は続いています。「少なくとも今のところは」大丈夫ですが、今後は?

やはり医療従事者自身の感染、あるいは7日間の自宅隔離による欠勤の増加による人員不足が大きな問題。また12月は若者に多かったオミクロンの感染が、クリスマスとお正月に大勢の家族や親戚が屋内で集まったことにより50歳以上の世代に増える可能性もあります。

それならロックダウンはしないのか?もっと規制を強化しないのか?になりますが、ウォーリック大学が政府のために作成したモデルによると、もうすでにイングランドではこれだけ広がっているので、今からロックダウンを導入しても入院患者数にはほとんど影響がないと判断しています。クリスマス前、あるいはもっと早く対策を取っていればこれだけ拡大感染はしなかった、ということみたいです。つまり規制を強化しているスコットランド、ウェールズ、北アイルランドは感染者が少ないからであって、ここまで多いイングランドは規制効果なしということでしょうか。要するに、時既に遅し⁉︎ 

またロックダウンをしても解除されるとまたリバウンドするからあまり効果がない、そしてロックダウンを導入すると社会、経済、そしてメンタルヘルスにも打撃を与えるので、そこのバランスも取らなければならないとも。

なんだか何度読み直しても頭の中が混乱するような記事でしたが、一番最後には、希望的観測の記載がありました。

「今後の可能性として、この波は来てもすぐに無くなるだろう、そして波が去った後は免疫力がさらに高まり将来にわたって国民を守ることができるはずだ。」

この記事を書いた人の推測が当たりますように。

作成日:1月4日

参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/health-59862568

コメント新規追加