ガス価格の高騰でイギリスのガス会社が次々倒産?
イギリスではガスが不足しているためガス料金が大幅に値上がりしています。ガス料金が近年どれだけ値上がりしたかというと、これだけ。1月に比べると2.5倍も値上がりしていました。
なぜガス不足が起きているのかと言うと、去年の冬が例年よりも寒くガスを大量に使ったため予備が少なくなったこと、そして通常は夏の間に埋蔵量を補充するところ今年の夏はロックダウン中に延期されたメンテナンス作業が行われたため生産量が減少したこと、それに加えて今年の夏は風が少なく穏やかだったため、風力発電による発電量が減少したこと、おまけに大きな電力供給会社であるNational Gridでは9月15日に火災が起きてしまい、電力供給が一時的に減少していること、など、これでもか、と言うぐらいさまざまな原因が重なりました。
ガス不足、それによる値上げは世界中で起こっている現象だそうですが、85%の家庭がガスによるセントラルヒーティングを使用しているため、今年の冬は例年よりも厳しい冬になりそうです。
なお卸売価格は去年の4倍以上になったそうです。まさか、と思って調べたところ本当でした。
卸売価格がそれだけ上がっても、ガス会社はその分を消費者に負担してもらうことができません。これは契約の際に値上げの上限(CAP)が決められているからです。それが「売り」となっていて、たくさんの中小規模のガス供給会社が誕生しました。
日本はどうなのかなと思って調べたところ、聞いたことのない「格安」ガス会社がたくさん誕生していました。昔は東京では東京ガスだけだったような記憶があります。イギリスでも昔はBritish Gasだけでした。
さて、ガスを卸売価格で買って消費者に売るのが商売のガス会社。卸売価格が高騰しているのにその分値上げができない、となると、儲けがない状態になり、すでに今年の初めに70社だったのが今は30を超えた数になってしまったそうです。そして150万人が影響を受けているとのことです。ちなみに長男が契約しているガス会社もつい先日廃業が決まった7社のうちの1社。我が家の契約先もかなり危ない状態だそうです。
契約しているガス会社が潰れても、ガスの供給が止まってしまうことはないから安心して、と政府は呼びかけています。代わりの会社を見つけてくれるのだそうです。ただ、条件は同じでは無くなり、消費者の負担が増えることはほぼ確実。負担を減らすためには、ガスを節約することが必須になりますが、これからの季節、暖房なしでは辛いです。
記事の最後にはこのような記述がありました。
訳すと、「この冬はセーターを買い込むのが1番安上がり」!?
作成日:9月24日
参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/business-58637094、https://www.bbc.co.uk/news/business-58090533https://www.bbc.co.uk/news/uk-england-kent-58570893
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