節約モードのイギリス

イギリスではほとんどの家庭で10月1日から光熱費が上がりました。

我が家にはスマートメーターがあり、「今日の光熱費は今の時点でXXペンス」と表示されます。0時にリセットされますが、朝起きた時点で既に£1(約160円)は超えています。これは冷凍冷蔵庫、ボイラー(湯沸かし器)などでしょうか。夜眠る前に見ると£5(約800円)近くになっています。10月に入ってから確実に値上がりしました。まだセントラルヒーティングは一度も使っていないのにこの値段。使い始めたらどうなるか、少々不安になります。

Photo by Nobuko

そんな中いろいろなサイトで節約方法や家電の電気代は一体それぞれいくらかかっているのか、など光熱費に関する情報が多く目につくようになりました。

昨日のBBCでも光熱費を下げる方法として6つのアイデアが載っていました。

その1:オーブンは使用せず、エアフライヤー(ノンフライヤー)か電子レンジにすること

イギリスではジャケットポテトと言って大きなじゃがいもを丸ごと焼いて、半分に切ったり大きく十文字に切り目を入れて開き、そこにトッピングを載せて食べるのが人気です。

Photo by Nobuko: 自家製ジャケットポテト。トッピングは調理したポテトをくり抜いてマッシュポテトを作り生クリーム、スモークサーモン、小口ネギを混ぜたものを皮に戻して10分間オーブンで焼いたもの。

さて、このじゃがいもの調理ですが、電子レンジだと10分で5ペンス(約8円)、エアフライヤーだと45分かかるので26ペンス(約42円)、電気のオーブンだと90分かかるので£1.02(約164円)の電気代がかかるそうです。有名なシェフ達は「やはりジャガイモはオーブンで焼かないとだめだ」と言いますが、それにしても電気代が…。

その2:家中の電気をLED電球に変えること

照明代は平均して光熱費の11%を占めているそうです。そこでLED電球に変えると初期費用が発生しますが、LEDの方が長持ちするので長い目で見るとかなり節約できるとか。例として、40Wの電球を12個、毎日4時間点けた場合は1年間で£238(約38,250円)、LED電球だと£41.70(約6,700円)。かなり差があります。

我が家でも12個も付けているのかなと思って見回したところ、リビングやダイニングの照明は電球一個ではなく3−4個ずつ、キッチンもバスルームも丸い小さな照明が何箇所にも付いていて、無駄に多かった、と反省。

Photo by Nobuko

その3:セントラルヒーティングの温度を低めに設定すること

設定温度を1度下げると年間£145(約23,000円)の節約と言われています。ただしこの数字は、日中勤めや学校に行っていて留守の場合の計算だそうです。在宅勤務の場合やリタイヤした人達は消すわけにもいかないのでその分上がります。

ちなみに以前我が家の暖房が効きすぎて暑がりの家族は真冬でも半袖のTシャツで過ごしていましたが、今はそんな贅沢はできない?でも無駄というわけではなく寒がりの私はもちろん長袖+セーターかカーデガンでした。今年の冬は重ね着対策あるのみ?

その4:断熱・防風対策を取ること

自分達(DIY)で家中の隙間を塞ぐだけでも効果があるようです。ただ熱は高い方に逃げるので、ロフト(屋根裏)がある場合は、ロフトの断熱が優先順位ナンバーワンだと書いてありました。そしてロフトへの入り口の隙間もしっかり塞がないといけないですね。そのほか厚手のカーテンに取り替えることも、使っていない部屋の暖房は切り、ドアを閉め、隙間を塞ぐことも重要なポイントです。

その5:家電を上手に使うこと

洗濯機と乾燥機はかなり電気を使います。エコ設定がある場合は推奨。洗濯物を乾かすのもできれば外でと書いてありました。でも雨が多く、曇り空が多いイギリスでは毎回とはいかなさそうです。

その6:シャワーは短めにすること

シャワーやお風呂、蛇口から出るお湯に使う光熱費は全体の12%を占めているようです。シャワーの時間を4分以内に短縮することで年間£70(約11,000円)の節約になるとか。夏でも毎日お風呂に入っている習慣は止めるべき?それも寂しいですが。

なおこちらのサイト(sust-it.net)にはお役立ち情報がたくさん載っていました。中でも面白いのが家電の写真が並んでいる欄です。そこでトースターを選択すると、STARTボタンとDONEボタンがあります。実際にトースターにパンを2枚入れてスイッチオンすると同時にSTARTボタンを押し、焼き上がった時にDONEを押すと、いくらかかったかを計算してくれるだけではなく、週間、年間でいくらになるかも計算してくれます。電気ケトルもそうでした。ガソリンの場合は距離と燃費とガソリン代を入力するといくらかかるか計算してくれます。それ以外は詳細な表が載っています。

実際に電気ケトルで小さいマグ一杯分のお湯を沸かしてみたところ、£0.016(約3円)でした。

その他にも節約情報が各サイトにたくさん載っていました。確かにチリも積もれば山となる、と言いますが、そうやってチマチマと節約するよりも、お勤めの人は会社の近くのコーヒー店でコーヒーのテイクアウトの回数を一回減らせば約£3(約500円)の節約、会社帰りのパブで一杯飲まなければ£4(約800円)の節約になるのにな、と思ってしまいました。

Photo by Louis Hansel on Unsplash

スマートメーターを毎日チェックするのも確かに現状把握でいいことだとは思いますが、あまり節約のことばかりを考えていると、小さなことに気を取られて大きなことを見逃してしまいそうな気がします。

光熱費の値上がりに加えて、コロナとインフルエンザが同時にやってきそうで以前にも増して厳しい冬になりそうですが、上手に節約して、風邪をひかないようにし、美味しいコーヒーやパブでの一杯も楽しみながら、そして時には伝統的なサンデーローストを美味しくいただいて、長い冬を乗り切っていきたいですね。

作成日:10月10日

参考記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/business-62738249https://www.sust-it.net/storage-heater-energy-calculator.php#nogo

アイキャッチ画像:Photo by he gong on Unsplash

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