パーティーゲートにビア(ビール)ゲート

イギリスではジョンソン首相がロックダウン中に法律を破ってパーティーを開催、あるいは参加したかどうかの一連の事件を、約50年前にアメリカ政界を大混乱させたウォーターゲート事件をもじって「パーティーゲート」と呼んでいます。ところがそのジョンソン首相をさんざん批判してきた野党の党首であるキア スターマー卿が同じ時期に、ある議員のオフィスでビールを飲んでいたことが発覚し、今度はビアゲート(Beergate)と呼ばれて世間を騒がせています。

実はこのビールを飲んでいる写真がリークされたのは数ヶ月前でした。その時は、ビールを一本飲んでいただけで仕事の打ち合わせの延長であったこともわかったし、法律違反ではないね、という結論になりこの話は終わっていました。

ところがつい先日、仕事の合間にたまたま飲んだビールではなく、会食があらかじめ予定されていたことが発覚し、そのために警察が詳しく調査することになったのです。調査結果によってはスターマー氏も罰金を課せられるかもしれません。

当時の法律では屋外では2家族まで会ってもいいことになっていましたが、室内は家族以外は一切ダメ。仕事でやむ終えない場合は、ソーシャルディスタンス(2m)を取りながら、短時間。つまり一緒に食事などは絶対ダメだったはず。

たまたま仕事が長引いて食事時間になったとしてもなるべく自分の席で、あるいは2m以上の間隔を開けて食事をするのならまだこんな騒ぎにはならなかったのかもしれないですが、内部からリークされた文書によると、ダラム州の選挙事務所に出張した際の日程表にはあらかじめ1時間20分の会食の時間が設けられていたことがわかりました。それも個別包装の幕の内弁当(イギリスには無い?)ならまだしも、みんなで少しずつ分けるインドカレーだったのがまた問題。写真も掲載されていましたが、2mどころか20センチも開けていない彼の同僚達の姿もしっかり写っています。

さらに悪いことには、労働党の副党首であるアンジェラ ライナー氏は最初「私はその場にいなかった」と発言していたにも関わらず、実はその場にいたことが発覚しました。なんで(どうせバレちゃうのに)いなかったなんて言うのでしょう?

このビアゲート事件がなんで大々的に取り上げられているかというと、ビールを飲んだ飲まないよりも、スターマー氏が今まで散々ジョンソン首相に対して、「法律違反をしたから首相を辞任するべきだ」と言ってきたにも関わらず、本人も違反していたからです。

この記事には、「スターマー氏が『道徳的に高い馬』(原文はmoral high horse)に乗っていて、その本人が法律を破ったと言うことは、その馬がバッキング ブロンコになってしまうようなものだ」と批評されていました。高い馬?バッキング ブロンコ?一体なんのこと?と調べてみたところ、今までは「上から目線」であたかも「高貴な馬」に乗りながらジョンソン首相を批判し続けていたけれど、その高貴な馬は今回のビアゲート事件で、ロデオに登場するような馬になってしまって、スターマー氏はその馬から振り落とされないように今必死にしがみついているようなものだと揶揄しているようです。

まるでこの写真みたいな状態?

Image by Cara Shelton from Pixabay

彼や彼の支持者は、仕事上やむ終えなかった食事で一連のパーティーとは全く違うものだと述べていて、辞任するつもりはないそうです。またこれは陰謀だと批判もしています。

最終的には警察が法律違反をしたかどうかを判断しますが、それにしても、「ブルータスお前もか」のような今回の事件。国民がじっと我慢して同居の家族以外はたとえ親にも子供にも会えなかった時期に、なぜこのように平然と食事をし、お酒を飲んでいられたのでしょう。

作成日:5月8日

参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-61362474

アイキャッチ画像:Photo by Wil Stewart on Unsplash

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