皮膚の老化を遅らせることは可能?

二日ほど前になりますが、 BBCのオンラインニュースで興味深い記事を見つけました。「皮膚についての新たな研究が肌の老化を遅らせることを可能にするだろう」という内容です。

実は記事の内容よりも、見出しの下に掲載されていた写真にハッとし、目が釘付けになりました。若い頃は美人だったろうな、と思わせるような白髪の女性の顔の下の部分(鼻から頬、唇、顎、首)がズームアップされていて、ちりめんジワやほうれい線の太いシワがはっきりと見えたのです。これ、どんな言葉よりもインパクトがあります。

それに似た写真を見つけました。

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皮膚についての研究は世界中で行われていて、その中でもヒューマン セル アトラス と呼ばれるプロジェクトはかなり大規模。また、その中心になっているのがイングランドのケンブリッジにあるウエルカム サンガー 研究所だそうです。

アトラスといえば地図のことかと思いましたが、元々アトラスはギリシャ神話に出てくる巨人神の名前でオリンポスの神々と戦って敗れ、世界の西の端で天空を双肩で支える罰を科せられてしまったそうです。そして初期の地図書にその天空を支えるアトラス像を載せたところから、地図帳のことをアトラスと呼ぶようになったとか。

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話を元に戻します。ヒューマン セル アトラス プロジェクトはヒューマン(人体)を構成する約37兆個のセル(細胞)1つ一つの遺伝子発現パターンをアトラス化(地図化)しようという大規模なプロジェクトです。

これまでの8年間に1億個の細胞を分析し、脳と肺の地図(のドラフト版)を作成。現在は腎臓、肝臓、心臓を研究中。この後のステップは個別に作った地図を一つにまとめることだそうです。

胎児の皮膚の研究も進んでいて、皮膚の血管の形成には免疫細胞が重要な役割を果たしていることを発見し、研究室でその役割を模倣することに成功。遺伝子を適切なタイミングで(スイッチのように)オン オフし人工的に皮膚を成長させ、なんとそこから小さな毛も生えてきたそうです。

今はこの技術を完璧にすることを目標としているとのことで、これが実現すればシワが減るだけでなく、例えば火傷で重傷を負った患者から火傷の痕を消すことも可能になります。それに人工的な皮膚に毛を生やすことに成功したら、世の中からハゲ頭がなくなる可能性も?この記事内で関係者は「頭髪の無い人たちに髪を生えさせることができるようになる」と丁寧な表現を使っていました。

皮膚の傷跡といえば、子供の頃はよく転んで膝小僧を擦りむいていましたが、何日か経つと傷跡がキレイに消えていたのを思い出しました。それが歳をとるにつれてなかなか治らなくなり、古傷の跡が増えました。また祖母は自分の手の甲の皮膚をつねって持ち上げて、指を離すとすぐには戻らないのを見せてくれました。「あ、本当に戻らないね」と言いながら私も祖母の手の甲を何度もつねってみましたが、今は自分の手の甲もまさに同じ状態。そして首も。

このプロジェクトは化粧品業界も注目していることでしょう。

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作成日:2024年10月18日

参考先記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/articles/c756q166gd9ohttps://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2021/3429_03https://www.gettyimages.co.jp/resources/embedhttps://www.weblio.jp/content/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9#google_vignette

アイキャッチ画像:Photo by Ousa Chea on Unsplash

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