魔法の痩せ薬「ウゴービ」売れすぎて国の経済にも影響

約2年前のブログ(ウエストのサイズは身長の半分以下に⁉︎)で、体重減少に画期的な薬が開発・承認された話を書きましたが、その後も売れ行きは順調。去年1月から6月までの製造元ノボノルディスク社の純利益は390.2億クローネ(当時のレートで約45億ポンド、8150億円)でしたが、今年1月末に公表された年間純利益は830億クローネ(96億ポンド、1兆7千億円)と右肩上がりが続いています。

あまりに売れ過ぎて生産が追いつかなくなり、工場も増設中。そしてデンマークは人口が600万人に満たない小さな国で、ノボノルディスクはデンマーク経済に大きな影響を与える大企業になりました。

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というのは、デンマークの2023年9月末(第3四半期)の経済成長率は1.1%でしたが、ノボノルディスク社が含まれる製薬部門を除くと経済成長率は0.8%減少したそうです。そこでデンマークは現在製薬部門抜きの別の経済統計も発表しているとのこと。特定の会社1社を除いた国の経済統計など今まであったのでしょうか。

この痩せ薬、もともとは糖尿病の薬を開発中に、実は体重減少効果があることがわかったそうです。あの有名なバイアグラももともとは心臓病(狭心症)の薬を開発中に、思わぬ効果があることがわかったと聞きました。そしてバイアグラは心臓病の薬としての効果はイマイチでしたが、ED(勃起不全)には絶大な効果があることが立証され今ではEDの薬として世界中で有名になりました。

このウゴービの主要成分のセマグルチドは糖尿病の薬としても効果が認められ、オゼンピックという名前で販売されています。

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ウゴービは現在8か国で承認が降りています。デンマーク、ドイツ、アイスランド、ノルウェー、スイス、アラブ首長国連邦、アメリカ、イギリスです。そして2月末には日本でも入手可能になるそうです。

前回のブログ(魔法の痩せ薬、その後)にも書いたのですが、本来の目的は病気の原因が肥満にある患者さん、または過度の肥満症の方を減らすためのものでした。でもお家元のデンマークではイギリスのNHSなどのようなシステムがなく、全額本人負担となります。その為過度の肥満で働くこともできず、薬を購入できない人もいるとか。

肥満についての気になる事実も今日のBBCに載っていました。過去50年で肥満のレベルは世界的に3倍!に増えたそうです。2030年には10億人が肥満となってしまう予測データもあり、痩せ薬のウゴービはそのための治療薬として先頭を走っていますが、その後を競合会社が競って開発中。市場が大きいので、あと何社かが開発してもまだまだウゴービの需要は高そうです。

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毎回書いているのですが、お薬は本当に必要な人の元へ届くことができますように。

作成日:2月12日

参考先記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/business-68226369https://www.bbc.co.uk/news/business-66466951

アイキャッチ画像:Photo by Towfiqu barbhuiya on Unsplash

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