イギリスだけではなかった燃料問題
今朝のニュースには「EU諸国、ガス代の上限無しではこの先厳しい冬に直面」という見出しの記事がありました。
ガス代に上限を決めること、電気代とは切り離すことをしなければ、この先5年から10年は「ひどい冬(terrible winters)」を迎えることになるとベルギーのエネルギー相が警告したそうです。
EU諸国は主要なガス供給国であるロシアが2月にウクライナに侵攻し、制裁を発動して以来、莫大なエネルギー価格の高騰に悩まされていました。値上げだけではなく、昨年EUにガスの40%を供給していたロシアは今度は供給を制限しています。
ガスの値上げ幅も異常ですが、それに伴って電気料金もヨーロッパでは今週過去最高を記録し、オーストリアのネハンマー首相は「エネルギー市場で今起きているこの狂気を止めなければならない」と発言していました。イギリスのガス代上限が80%値上げしたのも含めて、エネルギー関連の一連の値上げ幅はまさに「狂気」です。
このベルギーのエネルギー相が警告した「ガスと電気を切り離す」と言うのは、電気代の「便乗値上げ」が起こっているからのようです。
天然ガスが今でも発電に広く使われているので、ガス価格の高騰により発電にかかるコストが高くなり、電気代が高くなるのは理解できますが、この「価格」がはるかに安価な再生可能エネルギーによる電力であっても、同価格なのだそうです。つまり天然ガスによる電力と安価な再生可能エネルギーによる電力とでは作るときにかかるコストが違うのに、卸売価格が同じ。どこかで誰かがボロ儲けしている?
ロシアのガスを最も多く輸入しているドイツは冬を前にしてガスの備蓄を強化中、そこで省エネ対策を実施しているそうです。なんだかアリとキリギリスの物語を思い出しました。ドイツのドレスデンにあるフラウエン教会(聖母教会)も省エネのために夜間は消灯しているそうです。
私の頭の中も節電、節ガス、節約モードになっています。最近日暮れが早くなり、8時過ぎには階段の上り下りにも照明が必要になってきました。そこで「すぐに消してしまうのでいちいち電気を点けるのはもったいなのではないか」「でも真っ暗な階段を降りて足を踏み外したら怪我をしてしまうから点けた方がいいのではないか」という2択で迷っているのは私だけでしょうか。
あるいは、ガス湯沸器は10時に止まるように自動設定していますが、9時に手動で止めようとキッチンに行くと、電気を点けなくては真っ暗でスイッチが見えない、でも電気を点けると電気代がかかる、一体どっちが節約になるんだろうか、と悩んだりもしています。
イギリスにも今年の厳しい冬に備えて蓄えはあるのでしょうか。
そして気になってしまうのが、今年の冬はクリスマスのライトアップが省エネのために街から消えてしまうのでしょうか。
作成日:8月29日
参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/world-europe-62710522
アイキャッチ画像:Photo by Hert Niks on Unsplash
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