ワニ皮のハンドバッグがロンドン動物園に展示中、なぜ?
リージェントパーク内にあるロンドン動物園の爬虫類館に行くと、ワニがいるはずの水槽にはワニ皮のハンドバッグが代わりに展示されています。2018年に違法に持ち込もうとしていたところを国境管理の職員が見つけて押収。このような世界の各地で起こっている違法行為を多くの人に知らせるために、ロンドン動物園の手に渡されました。
展示されてから数年経った今、動物園を訪れた1人がツィッターにこの写真を掲載し、拡散されて大きな話題となっています。
このバッグはシャムワニという種類のワニでできていて、そのワニは20世紀後半に行われた違法取引での影響を大きく受けた中の一種で、皮革の商業利用のために狩られました。推測では現在500から1000頭しか残っていないそうです。(注:ワニの数え方は1匹、2匹、かと思いましたが、爬虫類として扱う場合は「匹」、大型の動物として扱う場合は「頭」だそうです。参考先:https://www.sanabo.com/kazoekata/ct_wa/wa/wani/)
爬虫類館を訪れた人はバッグを目にして一瞬ギョッとなりそうですが、同動物園の爬虫類・両生類キュレーターを務めるペン ティプリー博士は、「違法取引への関心が広がったことはうれしいこと。来訪者が違法取引について学び、話をするきっかけを作りたかった」と話していました。
今年で196年目を迎える動物園は2000年以降、国境警備当局が空港や港で押収した野生動物を受け入れ飼育していて、その中には珍しい亀、蛙、蛇、そして数百種のサンゴなどが含まれています。
さて、ワニ皮のハンドバッグといえばすぐに連想するのがエルメスのバーキン。スポーツカー同様「お金持ち」のステータス シンボルとして根強い人気を誇っています。バーキンを持っている有名人リストの中にビクトリア ベッカム、レディ ガガ、スーパーモデルのケイト モス、キャサリン妃の妹のピッパ ミドルトンなどの名前を見つけました。
1981年に誕生して以来、とても高いし、なかなか手に入らないというエルメスのバーキンですが、今はどのくらい値上がりしているのかと日本とイギリスの両サイトを調べたら、あまりの高さにびっくり。スポーツカー一台買える値段のもありました。オークションではそれ以上のも!最低でも100万円。日本のサイトでは価格.comに3千9百万円のバッグもありました。楽天ショップが出店していて、中古品だそうです。ランクはAで、「多少の使用感や傷はありますが状態の良い品」だそうです。私は楽天の会員になっているので、そのページにアクセスしていたら、「商品を買い物カゴに追加。」「ご購入手続きへ」というポップアップ表示が出てきて一瞬焦りました。
先ほどの動物園のワニ皮バッグが展示してある水槽の手前には、動物に関する情報の代わりにこのようなことが書かれてあります。
シャムワニについて
このバッグは以前東南アジアやインドネシアにある流れの緩い河川で泳いでいました。
過去75年間でシャムワニの80%が消えていきました。その多くがこのワニと同じく、皮革採取を目的とした違法取引のために捕獲されてしまったのです。
この注意書きをエルメスのワニ皮バーキンを持っている人たちに読んでもらいたいな、と思ってしまいました。
作成日:8月4日
参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/uk-62412328、価格.com、https://www.harpersbazaar.com.sg/gallery/iconic-celebrity-birkin-moments/
アイキャッチ画像:Photo by Dennys Dugarte on Unsplash
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