ブースター接種、目標1日100万回
昨日は日曜日でしたがコロナウイルスのアラートレベルが3から4に上がり、夜の8時にはBBCによる10分間の特別番組が編成され、ジョンソン首相が国民に向かってテレビカメラの前で「18歳以上の人はブースターを接種するように」と何度も訴えていました。(アラートレベルが上がることにより具体的に規制が厳しくなると言うことではなく、あくまでも感染状況により上がったり下がったりするようです)
ブログ(イギリスのブースター拡大計画)にも書きましたが12月1日の合同記者会見の時は、来年の1月末までに18歳以上の成人全員にブースターを提供すると宣言していました。ところが昨日の演説では、その目標を1ヶ月前倒しにし、12月31日までにすると明言していました。
そうなるとこれから毎日(公共の交通機関が全て止まるクリスマスの日も?)100万回接種しないと、この目標は達成できない計算になるそうです。一体どうやってこんなチャレンジングなことを実現するのでしょうか?
なぜこんな大それた目標を掲げたかと言うと、その理由が以下になります。
- オミクロンとの戦いで今私たちは非常事態に直面していること
- ワクチン2回では十分ではないことがはっきりしていること、そしてブースターが防御レベルを元のレベルまで戻せると科学者たちが確信していること
- オミクロンは重症度が低いとは今の時点では確言できないこと
ではどうやってこの目標を達成するかと言うと以下が挙げられていました。
- 軍隊から42のチームが各地域に配備され、活動を支援
- イングランド全土に追加のワクチン接種場所とモバイル(移動式)ユニットを設置
- 診療所の営業時間を延長し予約を増やせるようにする
- 数千人のワクチン接種員を募集して訓練する
- 政府はスコットランド、ウエールズ、北アイルランドでもサポートを強化する
なお先週まではイギリスでオミクロンの感染者は増加しているものの、重症患者はいませんでしたが、現在10名が入院しているとの報告もJavid保健相からありました。
さて、宣言のあった翌日、早速大勢の「若者」たちがオンラインの予約システムを使って予約を試みましたが、予約が殺到してしまったためにアクセス不可になり、3時間かけてやっと予約できたと思ったら年明けだったという報告がBBCに載っていました。年内の予約はどうやっても取れなかったそうです。友達の息子さんも同様にやっと1月4日が取れたとのこと。上記の目標を達成するための対応策にオンラインシステムのアップグレードを入れなかったからアクセス不可になったり、年内の予約が取れない状態になっているようです。すでに目標達成コースから逸脱している?
おまけにオミクロンでこんなに大変なことになっているにも関わらず、まだ去年首相官邸内で行われたクリスマスパーティー騒動は収まっていません。それどころか昨日の朝、また新たな事実が写真と共に報道されてしまったのです。(写真はこちらから→https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-59625432)
告発記事の内容は去年の12月15日に大勢の議員がリモートで参加したクリスマスクイズ大会にジョンソン首相も参加したと言うことです。リモートで行う分には全く問題がありませんが、そのクイズ大会にジョンソン首相は首相官邸から参加、その場には二人の同僚が座っていたとか。またいくつかの部屋では6名で構成されたチームも集まっていたとか?そうなると当時のソーシャルディスタンスに違反したことになります。ちなみにイギリス人はクイズ大会が大好きでパブでもよくクイズナイトが開催されています。
この2人の同僚はテクニカルサポートのために同席していたとの弁明でした。でもその2人のうちの1人はキラキラのティンソルをスカーフのように首に巻いていて、もう1人はサンタの帽子をかぶってクリスマス気分。業務上やむおえなく同席したとは考えられない状況です。
この一連のパーティー事件とオミクロン対策は全く別物と政府は何度も言うものの、こんなことばかりが発覚している首相の言うことにちゃんと国民が従ってくれるのかが疑問視されているイギリスでした。
作成日:12月13日
参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/live/uk-59632655、https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-59625432、https://www.bbc.co.uk/news/uk-59631570、https://www.bbc.co.uk/news/explainers-52634739
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