コロナウイルス:イギリスの現状と今後について

イギリスでは感染者数が数週間ぶりに減少してきました。それも19歳までの若い人の感染者数が大幅に減り始めています。

5日(金曜日)の感染者数は34,029名で先週の金曜日(43,467名)に比べるとかなりの減少率。テスト数も減っているのかな、と思いましたが逆に増えていました。以下のチャートを見ると、テストを減らすことで感染者数が減ったように見せているわけではないことがわかります。それでも35,000名!と思うかもしれませんが、イギリスの場合は症状のある人はすぐに無料で検査を受けることができ、濃厚接触者は即刻テストを受けるように連絡がきます。またインペリアルカレッジ大学主催のReactという団体やThe Office for National Statistics (ONS)という別な団体はテスト者をランダムに選んでPCRテストを行なっています。私の友人も何度かテストしてくださいとの連絡がきて参加したそうです。そのため無症状なのに感染している人が見つかる確率は、症状が出た人のみテストする国よりも多くなるということになります。

そして下記のグラフが6月からの感染者と年代の推移になります。

これを見ると他の年代では増えているのに19歳までの年代はかなり減少しています。

では何故若者の間で減ってきたかというと理由が2つ考えられるそうです。1つは単に10月の最後の1週間がハーフターム(秋休み)で学校が休みだったから。もう1つは若者の間で集団免疫ができてきたから。1つ目が本当の理由だとしたら、また学校は再開したので数週間後には増加してしまうことになります。そこでまだ安心はできないというのが専門家の意見でした。

昨日読んだその記事の書き出しに、「コロナに関してはありとあらゆるデータが混在し、時には全く違うことも書かれている」とありましたが、スマホにZoe Covidのアプリをインストールし、(真面目な人は)毎日症状を報告するというシステムもあります。そのアプリでも先週は5%ほど感染者の減少が見られたようです。私も過去に「ちょっと熱っぽい」ことをこのアプリで報告したら、即「テストを受けなさい」と連絡がきてテストセンターのリンクも付いていて近所でテストを受けてきました。陰性でした。

さて、今後の動向についてですが、明らかに去年の同じ時期に比べると状況は改善してきていると書かれてありました。そういえば去年はクリスマスの時期だけは特別に同居してる家族以外のもう一家族と会ってもいいと言われていたのに感染者が増え続けたために直前でやはり会っては駄目になったのを思い出しました。見事なドタキャンでした。

Photo by Peter Brickwood

また全体には減っているものの重症化する確率の高い高齢者の感染者数も増えてきています。ただ急激に増えているわけではなくゆっくりと増えているので、ブースター(3回目のワクチン接種)が普及すればまた減ってくるはず、との意見がありました。そして今まで増えていた1番の原因は、無症状の若者や子供達が学校からもらってくる→両親が感染→無症状の親達がまたキャリア(運び屋)になって高齢者に移す、という連鎖反応が起きていました。今後若者や子供の感染が減れば、この連鎖も防げるというのが希望的な今後の動向だそうです。

この若者の感染者減少が一時的なものなのか、今後も減り続けてくれて、他の世代の感染者数も同様に減ってくれるのか、さらに今後は厳しい冬になりみんなが屋内で集まるようになるのか、それとも暖冬で屋外でも集まることができるのか、コロナ以外の病気の蔓延で医療機関にプレッシャーを与えてしまいコロナ感染者の対応が十分に取れるのか、新たな変異株が出てこないか、など数々の要因があるために、「非常に複雑な状況であり、何が起こるかを予測することは極めて困難です」との専門家の意見でこの記事は終わっていました。

巷では「コロナ後」という言葉が使われるようになりましたが、その言葉を使うのはまだ少し早い?

作成日:11月6日

参考記事:https://www.bbc.co.uk/news/health-59179219

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