フランス政府、ワインの廃棄と生産者の補助に数百億円

今朝のBBCニュースに、フランス政府は過剰生産されたワインの廃棄と生産者の補助として2億ユーロ(約316億円)の予算を組んだという記事がありました。

政府は過剰生産されたワインを買い取り、買い取ったワインからアルコールを抜き出し、それを手指の消毒剤、清掃用品、香水などとして販売することを検討中。ワインとして人々の食卓に載るはずが、手ピカジェルに?

そこでワインからどうやって手ピカジェルのような消毒剤ができるのか調べてみたところ、最も簡単なのが、赤ワインを蒸留してエタノールを取り出す方法でした。

ワインの沸点が78度、水の沸点が100度、この違いを利用して先に気体になったエタノールを集めてリービッヒ冷却器に通じることで冷却し、液体になったエタノールを集めると書いてありました。(赤ワインからエタノールを取り出そう

もしかしてパンデミック時にハンドジェルが手に入らず、赤ワインから作った人もいたのかとふと思いました。

話を元に戻しますが、過剰生産の原因はいろいろで、ワインを飲むよりもクラフトビールを飲む人が増えたため需要が低下したこと、また生活費の高騰によりワインが買えなくなった人が増えたこと、などが挙げられていました。

過剰生産を防ぐために、ワイン製造者にブドウ畑をオリーブ畑などに変えるよう補助金も出すようです。

フランス農相のマーク フェノー氏曰く「ワイン業界は将来を見据えて、消費者の変化を認め、適応することが必要だ」と。

記事の最後には今年に入って6月末までのワインの消費率が載っていました。それによると、イタリアでは7%、スペイン10%、フランス15%、ドイツ22%、そしてポルトガルでは34%も下がったようです。ワインを水代わりに昼間から飲んでいるようなワイン愛国者の多い国でこれだけ下がっているとは。

ワイン好きとしては、捨てるなら安く売って欲しいと思うのですが、「値段を下げると生産者の儲けも減るので、それは避けたい」のだそうです。残念。

Photo by CHUTTERSNAP on Unsplash

作成日:8月26日

参考先記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/world-europe-66623636

アイキャッチ画像:Photo by Svetlana Gumerova on Unsplash

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