英ポンド大幅下落

トラス新首相は「私が首相になった暁には税金をカットする」と公言していましたが、その言葉通り今月23日にクワーテング財務相が減税政策を発表しました。

税金が減ることは納税者にとってはグッドニュースのはずでしたが、この減税政策を発表したことにより、ポンドが急落。ドルに対しては過去50年間で一番のポンド安。ユーロに対してもですが、円に対しても1ポンド166円ぐらいだったのが数日間で155円ぐらいまで落ちました。その後もまだ株式市場は混乱しています。

そんな中、またイングランド銀行が急遽利率を上げるというニュースも。

まさに大混乱。彼らはこの状況を予測できていたのでしょうか。政治・経済には疎い私でも「新政府は大丈夫かな」と不安になりました。

日本も円安が続いていますが、昨日のBBCで「ポンド安になると日々の生活にどのような影響があるのか」という記事を見つけました。

その記事では大きく分けて5つ載っていました。

⒈ 物価上昇(今以上に?)

過去40年で最も急速に物価が上昇しているにもかかわらず、ポンド安によって輸入品の価格が実質値上りしてしまうため、小売価格も値上がりしてしまいます。食品、原料、部品など全て。例えば、ビールを作る材料であるホップはヨーロッパやアメリカから輸入しているので、これによりビール代が上がってしまいます。政府がアルコール税の値上げをストップしたのに、政府のせいでまた元通り?

⒉ 光熱費の更なる値上がりの可能性

イギリス国内で生産されたガスであっても、イギリスが使用するガスの価格はドル建てだそうです。そこでこのポンド安の影響を受けてしまいます。つまりガス代が(更に)値上げ。また原油価格もドルを基準にしているので、ガソリン代も高くなる可能性があるようです。原油価格は下落しているにもかかわらず、ポンド安のためガソリン代の値下げの恩恵を受ける可能性は無くなってしまいました。

⒊ 一部の住宅ローンで返済額の増加

家を買う際、約200万人の人が変動金利の住宅ローンを利用していて、毎月支払う金額が増加する可能性があるとのことでした。

⒋ 輸出業者にはメリットがある

ポンドが安くなれば英国製の品物が安く手に入るので海外からの購入者が増え、売り上げ増加に繋がります。またポンド安は海外の投資家、特にアメリカからの投資家にとってイギリスが魅力的な場所となるようです。大手ファッションメーカーのテッド ベーカーもアメリカの企業に約£2億万(約329億円)で買収されることに合意したとの記載がありました。

⒌ 海外旅行が高くなる

すでに旅費、ホテル代、食事代混みのパッケージを購入した人を除いて、今後例えばニューヨークのホテル代は同じであってもポンドで払う場合の為替が変わるので実質値上げとなってしまいます。食事代、買い物代もドルの口座を持っていてそこから払う場合を除いてポンド安の影響を受けてしまいます。飛行機代も値上げが予想されますが、イージー ジェットの場合は燃料をあらかじめ一定のレートで購入する「ヘッジ」を行っているため他の航空会社に比べて今回のポンド安の影響は少ないそうです。

旅行業界の専門家であるサイモン カルダー氏は「逆にイギリスを訪れる観光客にとってはポンド安は嬉しいニュース。今年の初めには$200(£186)したロンドンのホテル代がこのポンド安で$150に値下がりしたことになり、日本円で換算すると約7,000円のお得、ということになります。

一部の人にはメリットがありますが、大半の人は更なる物価上昇の影響を受けそうなポンド安。

これから日暮れが早くなり、寒くもなり「灯りと暖房」が必須な季節を目の前にして、先ほども書きましたが新政府は本当に大丈夫かな。

作成日:9月27日

参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/business-63033110

アイキャッチ画像:Photo by Nicholas Cappello on Unsplash

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