イギリスの道路交通法ー自転車に乗るようになって気づいたこと

最近は健康の為と、やたら燃費の悪い愛車のガソリン代節約のため、車で7〜8分ぐらいのジムに通う時はなるべく自転車を利用することにしました。自転車だと20分ぐらいです。

ロンドンほどではありませんが、私の住んでいる郊外でも自転車専用レーンがあちらこちらにあります。そこを走行している間は少しは安全なのですが、その専用レーンはしょっちゅう「END」という文字が自転車の絵と共に表示されて、無くなってしまうのです。大抵は道幅が狭くなると専用レーンを設けるスペースが無くなるので消えちゃうのですが、そうなると道幅が狭くなる、おまけに車と同じスペースを共有するというダブルパンチ。ちょっと緊張します。

ただ今年に入って道路交通法（英語ではThe Highway Code）が改定され、30マイル（約48キロ）以下のスピードで走っている自転車を追い越す際は1.5m以上あけること、という法律ができました。それ以上のスピードで走っている自転車を追い越す場合はさらに間隔をあけるのだそうです。この新しい道路交通法を知っているドライバーは、ちゃんと対向車がいなくなった時に十分な間隔をあけて追い越してくれるのですが、知らないドライバーはけっこうギリギリで追い越して行くので、「ちょっとそこのあなた、法律違反、罰金ものよ！」と心の中で叫んでいます。

ちなみに歩道のないところを歩いている歩行者や馬に乗っている人を車が追い越すときは2m以上あける必要があるそうです。

実際に運転する側になると、道路の端っこを走ってくれない自転車が邪魔で、対向車が途切れないと追い越せずにイライラ。それに「なんでもっと左に寄れないのよ」と思ったりするのですが、「自転車に乗って一般道路を走行する際には道路端から50センチ以上開けること」という自転車に乗っている人（サイクリスト）用の法律もありました。それに実際に自転車で走ってみると道路の端は結構デコボコしているし、下水道の蓋が少し陥没したりしていて走りにくいのです。これからはもう少しサイクリストに優しくしようと決意したのでした。

さて、気になる罰金ですが、まずは運転手（ドライバー）。1.5m以上間隔をあけないでサイクリストを追い越した場合は£100（約16,000円）の罰金と運転免許に6点追加（日本は減点という表現をしますが、イギリスでは加算式です）。3年間の間に12点になると免許停止。スピード違反は速度によりますが最低でも£100で3点。運転中のスマホ利用は£200 （約32,000円）で6点。駐車違反は£90（約15,000円）で3点ですが、2週間以内に支払えば半額になるそうです。

次にサイクリスト。イギリスでは自転車で歩道を走った場合最高で£500（約80,000円）の罰金ですが、実際は£50（8,000円）が相場だとか。

いろいろ調べていてイギリスらしいなと思ったのが、道路交通法の政府のサイトに、「馬に乗っている人を追い越す時」、「馬が荷車を引いている時」などの表現が頻繁に出てくることです。日本では馬に乗った人に関しての交通法など無いのでは？

また日本では当たり前の歩行者優先がイギリスでは車優先になっていて、歩行者用信号が青で渡っている時でも平気で車が左折して来るので、来た当時はびっくりしました。

今回の道路交通法では、やっと歩行者優先が明記されるようになりましたが、この交通法を知らないドライバーがかなりいるので、歩行者はやはり右折左折車に気をつけないといけないようです。

さて、最近めっきり日暮れが早くなり、今月末に冬時間になるとさらに早まります。そこで自転車の前後にはライトが必要になりますが、2016年の記事によるとロンドン市内で夜間に照明無しで自転車走行した場合は£50の罰金の代わりに、無料で自転車用の照明をもらえると書いてありました。まだ有効なのかどうかは確認できませんでしたが、私も予備にもらいたいです。