保守党議員大量離脱の次は徴兵制度?
昨日イギリスはスプリング バンクホリデーの祝日でしたが、連休中もニュースのトップ記事には7月4日の総選挙のことがたくさんありました。
最初のびっくりニュースは、長い間教育・司法・環境大臣など重要なポストについていたマイケル ゴーヴ氏が総選挙では立候補しないことを公表。そして彼だけではなく、約80名の保守党議員が同じく退陣を表明してしまいました。元首相のテレサ メイもその中の1人です。
では労働党の勝利はこれで決まりか、と思ったのですが、現在イギリスの庶民院(下院)には保守党国会議員は365名、労働党議員は202名いるので、たとえ80名が辞めてもまだ致命傷ではないようです。
と思ったら翌日今度はスナック首相が「保守党が勝利した暁には18歳の若者に1年間の兵役、あるいは月に一度週末2日間にわたってボランティア活動をしてもらうようにする」と公約したのでした。そんなことをしたら逆に誰も投票しなくなるのではと思いましたが、これはかなり票集めには良い対策みたいです。というのは「この近代的な形の国家奉仕は若者たちが必要とするスキルや機会を提供することになり、それが彼らの人生に大いに役立つはず」で、「より不確実で危険な世界で我が国の安全保障と回復力を強化することになる」と首相が演説で述べていました。なるほど、ちょっとお年の方々は家に引き篭もりがちで携帯を片時も離さない若者を鍛えるには絶好のチャンスとばかり投票するかもしれないですね。それに全員が強制的に軍事訓練を受けるのではなく、ほんの一部だけ、断っても法的に罰せられる事はない、サイバーセキュリティの訓練を受けられる場合もある、そして何らかの報酬はあるそうです。
それに対して若者の中には反対意見も多く、特に週末のボランティア、つまり無報酬活動は貧乏学生にとっては痛手。「週末にアルバイトで得る収入が減ることになる」「首相が話しているスキルは何も兵役やボランティア活動をしなくて得ることができるはず」と若者の意見も聞かず勝手に公約してしまった保守党に怒りを感じている若者も出てきました。
そして昨日は121名の実業家が労働党の経済計画を支持するというドキュメントに署名をしたというニュースが届きました。やっぱり保守党は危ない?それとも実業家はごまんといるので121名の署名は痛くも痒くもないのでしょうか。
なんだかいろいろ起きているイギリスでした。
ところで労働党のスローガンは「Change」、その下に小さい文字でVote Labour(労働党に1票を)と書いてありますが、保守党は「Vote」(1票を)、その下に「保守党に」と書いてあるだけの直球型。インパクトは労働党の方が上のようです。
作成日:5月28日
参考先記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/articles/cv22pk09478o、https://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-69065695、https://www.bbc.co.uk/news/articles/c9xx1w48wjdo、https://en.wikipedia.org/wiki/Parliament_of_the_United_Kingdom
アイキャッチ画像:Photo by Filip Andrejevic on Unsplash
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