ワイン片手にお買物

少し前の記事になりますが、最近店内でお酒をサービスするお店が増えつつあるという記事を見つけました(https://www.bbc.co.uk/news/business-61077756

お店の種類もいろいろあり、記事の最初にはコインランドリー屋さんが紹介されていました。そのお店の名前は「ランドリー&ラッテ」、洗濯に来たお客様にコーヒーを提供するお店ということで始めましたが、お酒を販売するライセンスを取得済みだったのでお酒も提供しています。イギリスの洗濯機はほとんどが中身が見えるドラム式、ワインを飲みながら洗濯機が回るのを見ていたらなんだか目が回りそうです。特に脱水の時?

「お店を単なる商品が並んでいる場所ではなく、何かを体験できる場所にしよう」とする動きがあり、これはオンラインショッピングに持っていかれた顧客を取り戻そうという営業戦略でもあるようです。

例えば衣類を販売しているお店ではファッションアドバイザーを置いて洋服選びを手伝うことから、バンドやDJを置くところも。他にはメークの講習会、本の朗読、トークショー、購入前に試せるエリアの設置(狭い試着室よりも広いエリアのようです)など。

ある報告書によると2025年までには過半数の小売店が何かしらの体験スペースを設けるようになるだろうと言われています。

記事にはお花屋さん兼シャンパン バーも紹介されていました。開店したばかりの時はほとんどのお客様がそのお店はシャンパンが飲める場所で、花は飾りだろうと思ったそうです。今はお花屋さんだということが定着し、ブーケを作ってもらうのを待つ間にシャンパンを飲む方が増えてきました。男性はビールの人も。そこでは「母と娘のフラワー アレンジメント ワークショップ」も人気があるようです。もちろんシャンパングラスを片手に🥂。

Photo by Alisa Anton on Unsplash

他にはお酒を提供する本屋さんの例も紹介されていました。「数名のお客様はワインを飲みに来て帰りには本を抱えて帰っていくし、どんな本がいいかを聞きにいらしたお客様がゆっくりとワインを飲んで帰られたりしています」と店長さん。本を読みながらワインも飲めるスペースでは見知らぬ人とも会話が始まったり、社交場みたいだそうです。

尚、小売店なら誰でもお酒を提供できるかというと法律で厳しく取り締られていて、ライセンスがなければ罰金あるいは閉店になってしまうことも。酒類提供のライセンスを取るには通常専門の弁護士に依頼するらしいですが、その依頼数が最近とても増えているそうです。

パンデミックでアルコール依存症が増えているという現実もあり、その中で本屋に行っても洋服を買いに行ってもアルコールが出てくる、という環境を作るのはよくないと反対の声も上がっています。一方「お客さまもリラックスしながら買い物ができるし、お店も儲かるのでウインウインの関係」とこの動きに賛成している人も増えています。

ただアルコール依存症の人たちを助ける慈善団体のディビッド ウィルソン氏は「アルコールは衝動買いをさせる作用があり、その結果意図していた以上の買い物をしてしまう可能性がある」と警告しています。

お酒が飲める本屋さんの経営者のカイム氏は、「お酒を飲んで酔っ払って航空券を買ってしまったことはないけれど、オンラインショッピング中買おうかどうか悩んでいた時にお酒が入ると、購入ボタンを押したことはあるかもしれない」と述べていました。

小売業ではありませんが、私も以前勤めていた会社の同僚たちと「卓球のできるパブ」あるいは「卓球場なのにお酒が飲める場所?」、その他ダーツ、ミニゴルフ、ボーリング、そしてカーリングなど、いろいろな場所に行ったのを思い出しました。いずれもお酒付き。それらのことを「アクティビティ バー」と呼ぶそうです。小売店とコンセプトは違いますが、体を動かすことで喉も乾いてお酒をおかわりしてしまうので、お店側は儲かるし、ただお酒を飲んでおしゃべりするだけではなく、スポーツもできるので顧客も満足のウインウインの関係。

話を小売業に戻しますが、「この単なる商品を並べるお店ではなく、何かを体験できるお店」。新しいアイデアが今後出てくるのは楽しみです。

作成日:5月4日

参考記事URL:https://www.bbc.co.uk/news/business-61077756

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